カオスドラマX

月の名を継いだのなら / 2

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ながつき 2025/12/22 (月) 01:05:37

「まあまあまあ、ええやんええやん?折角この私が一週間ぶりにシャワー浴びて着替えてご飯奢ったるって言うてんねんから、大人しく奢られときいや、ええ?」

「拒否権も選択肢も無いじゃないですか………それに、奢ってもらうのに文句言うのも良くないんですけれど、ここバーだし……俺未成年なんですけど……」

「つまみの軽食以外にパスタとかなんかそんなんあるから好きなだけ食べたらええやん――――へい、失礼しまぁす」

恐らくは部屋着の類であろうキャミソールとショートパンツ、その上に厚手の赤いミリタリージャケットを羽織った若い女性――シェバナ

そして、更に若い、灰色の髪にオーバーサイズのパーカーを羽織った少年――
アガラ
二人は店内へと足を踏み入れ、空いた席へと腰を落ち着ける。

「……へえ、遊技場もあるんですね。ほら、ダーツしてる人と、他……に……」
物珍しさから遊技場に意識が向いたアガラの眼が、ふと、ある一点――ツキシマの姿を捉えた。
捉えたのが"眼に映る姿だけならば"、きっと気にかかることは無かっただろう。
しかし、アガラの"人狼"としての"血と五感"が、強烈な違和感を感じ取った様で、言葉を詰まらせる。

「あぁ?ん~……?まあ、今オフやし、気のせいって事にしときぃや」
アガラの警戒を察し、シェバナが割り込む様に声を掛ける。
「ほら、あるやんパスタが色々。他にも君の大好きな肉もあるで。まあ、鳥とか豚とか牛とかやけど……好きなもん頼んで牛乳でも飲んどき」
彼女もツキシマを一瞥した後、直ぐに視線をメニューへと戻す。
「ま、さっきも言ったけどオフやし、多分なんもないから気にせんでええよ。"変わり者"なんか良くある話やし」
アガラにだけ聞こえる様、小さな声で呟いた後、
彼の返事を待たずに、カウンターに向き直り、片手を上げながら余りにもマイペースな口調でバーテンダーに声を掛けた。

「あっすいませーん、私はなんか甘くてガッツリしたカクテルとこのスモークチーズ!んで、こっちの兄ちゃんに牛乳とソーセージ盛り合わせ、あと何か食べたかったら今頼みいや」
「えっ、あっ、じゃ、じゃあ、このナポリタン大盛りで…」
動揺をなんとか抑えつつ、シェバナに続いてアガラも注文を唱える。
……優れた感覚を持つ者なら、アガラの動揺も、果ては……一瞬漏れ出した彼の"匂い"も、嗅ぎ分ける事が出来るだろう。

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