そこそこのスピードを出して10秒ほど走っていると、やはり誰かが見えてきた。
派手な色の全身タイツのようなスーツを着た人間だ。
その近くには、何やら細長い窓のようなもの……そして、別の場所に繋がりそうなゲートのようなものまである。
なるほど。感じた気配の方に来て正解だったな。
早くも大きな手がかりになりそうなものを見つけた。
では、この全身タイツは味方だろうか。それとも……
僕は警戒しながらも、その全身タイツの近くへと歩いて行った。そして、声をかける。
「君は……」
「うわっ!?」
彼は僕の声に驚いて振り向くと、手を向けて咄嗟にその手首から糸のようなものを発射する。
僕はそれを避けるが、彼はさらに連続で糸を飛ばして僕を捕らえようとする。
それを回転して振り払いながら距離を取り、改めて彼に語りかける。
「待て。僕に敵意はない」
「だったら、なんで気配を殺して僕の背後に回るんだよ。明らかに敵じゃないか」
「……それはすまない。だが、僕はこの通り丸腰だ。君に敵意はない。……君は味方か? それとも……」
彼は少し警戒しながら、僕を見る。そして、その腕を下ろして、安心したかのようにため息をついた。
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