「……それ信じるよ。まさかこの白い世界に僕以外の人が居るなんて。ここに来てから驚くことばっか」
「ここに来てから? 君もこの世界に元からいたわけではないのか? ……いや、それは後だ。僕はこの白い世界について知りたいことがある。君は何か知っているか?」
「知ってるよ。ここは……ナントカって言う世界。真っ新な白い空間。世界の中心。時空の狭間。世界の終点にして深淵、全ての記録《ログ》が集う場所。神にすら干渉されない、不可侵の領域……だって」
彼は呆れたような仕草を見せながら答える。明らかに『自分が知っている』という口ぶりではない。完全に又聞き。つまりは、そういうことだ。ここに居るのはこの彼だけではない。恐らくもう一人いるはずだ。彼にその知識を与えた、『先輩』が。
「……誰がそう言ってた?」
「誰って、この窓の先の人だよ。このウインドウに文字を入れて送信すると、その人にこのウインドウを通して届くらしい」
「……その、下に文字が並んでいるウインドウか」
僕は宙に浮いている細長い窓を見る。確かに、入力ウインドウに見える。これを使ってチャットのように会話をしているわけか。その『この世界の住民』と。
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