カオスドラマX

CDトースターズ カオスジェネレーション:白の時空 / 87

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「どうした? なんかあった?」
 
「いや……」
 
 僕は、あの光景を彼に話すか迷った。だが、今はそれよりも気になることがある。それは……
 
「……君は、この白い世界に呼ばれて何をした」
「え? だから世界を救うために力を貸して欲しいって……」
「そうじゃない」
 
 僕は彼を睨むように見る。彼は少したじろいだが、それでも僕から目を逸らそうとはしなかった。
 
「具体的に何をしたと聞いているんだ」
 
「それは、君もこの天の声さんに聞いた通りさ。彼が記録《ログ》って呼んでるものを集めて、ここに持ち帰る。あのゲートの先に行って持ち帰ってきた。もっとも、僕は正直、具体的に何を持ち帰ったのかもわかってないけど……この天の声さんは『出来た』って言ってる」
 
「……つまり、あれらのゲートを潜り記録を持ち帰ることで、この世界は元に戻ると。そして、それをこの天の声は望んでいる」
 
「あ、ああ。そうなるね」
 
「ふむ……」
 
 僕は考え込むように腕を組む。
 もしそれが真実なら……『元の世界に帰りたいなら頼みを聞いてほしい』と、天の声は一方的な交渉もしてきた。
 それほどなりふり構わない様子、この声にとっての深刻な何かであることは間違いないだろう。
 怪しい、という感情もないではない。
 しかし、今のところこの世界についての手がかりも、帰還の手がかりも、こいつ……いや、この声しか持ってはいない。
 となれば……だ。ここは大人しく従い、この世界を救うために動くしかないか? 
 
「わかった。なら僕も協力しよう」
 
「え?」
 
「世界を救うんだろう? 僕はそのために呼ばれたんだ。ならそれに従うまでさ」
 
「……ありがとう!」
 
 彼は嬉しそうに笑った。覆面越しでも伝わるように、マスクの目が変形する。そして僕に手を差し出してきた。握手をしようというのだろう。僕はその手を迷わず握って、彼に言った。
 
「君も僕を助けてくれ」
 
「ああ。よろしくね!」
 
「それと……名前も聞いていいか? もう知らない仲じゃないだろ?」
 
 すると彼はハッとした顔をして、申し訳なさげに頭を掻いた。そして、少し照れくさそうにしながら僕に名乗る。
 
「……そうだな。僕は……」

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