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―――そんな事を思い返しながら、男が持っていたライフルを手に取る。
プラスチックの外装は見た目以上に軽いが、
それよりも驚いたのは目立つ傷が無い。見える範囲で、まるで劣化が無い。
機関部のチャージングハンドルを少しだけ引いて、チャンバーの動作を確認する。
スライドは滑らかに動作し、ハンドルを戻すと小気味のいい金属音と共に、薬室の弾丸とスライドは綺麗に元の状態へと戻った。
今度はストックを肩に宛がい、グリップを握って軽く構える。
それだけでも分かる程剛性が高く、ガタつきの無い銃身。
まともな環境で品質を担保して製造され、最近卸されたばかりの品物に違いなかった。
こんな場所でギャング風情がぶら下げているには、余りにも分不相応な品ではないか。
「軍用の小口径高速弾に、動作の切れの良さといい、”専門家”に卸される系列の品ですね……光学照準器まで付いてる。こんな場末の下っ端が持つには些か上等すぎる品な気がしますねぇ」
いつの間にか、私の手元のライフルに頭を近付けていたラトニカが呟く。
そう、本来、こんな場所を歩かされる下っ端に、高価で高性能なライフルは贅沢過ぎる。
示威行為として銃を持たせるなら、安物の散弾銃でも十分だ。
「他所のシマで薬捌いてる様な連中だ、無駄に金だけ持ってるんだろうが…」
つまりは、彼らにとってこの銃は劣悪な環境で見張りに持ち出せる程度の代物であり、
そう扱える程度にコネクションや予算を持っているか、
それとも、物の価値も知らずにただぶら下げているだけの、くだらない連中か。
どちらにしろ、バックの組織が居るのは想像に難くない。
だからこそ、ヴァリーレもファミリーの人間ではなく私達を使ったのだろうが。
「んーまあ、きな臭くてもやる事は一緒ですし……それよりラウニさん、随分銃の扱いに慣れてますね?もっとこう、いかにも素人崩れって感じだと思ってましたが。実は軍に居たとか?」
ライフルのチェックを続ける私に向かって、ラトニカが今度は私の顔面に顔を近付けながら口を開く。至近距離で、目を覗き込むように。私を見定める様に。