大統領警護室(Presidential Guard Bureau)は、合衆国大統領の生命、安全、そして政治的意志をあらゆる脅威から即時に守るために設けられた、大統領直属の特務警護組織である。軍や警察とは異なり、大統領の「警護」を本質的任務とする本組織は、大統領の存在そのものを保障することを国家安全保障の第一義と位置づけ、その目的のためには、限られた戦術的権限を持って即応的な行動を起こすことが許されている。構成員は極めて少数精鋭であり、戦闘員は室長を含めて二十名のみであるが、その機動力、判断力、そして政治的即応性において、いかなる国家機関にも代替不可能な役割を果たす。
現在の室長は18歳の女性、カロリーナ・ボルダベリーであり、彼女は若年ながらも戦術指揮と政治的洞察力を兼ね備え、大統領の最も近い距離で警護と現場指揮を担っている。彼女は外交交渉、閣議、安全保障関連会議などにおいて、大統領と同席する唯一の武装警護官であり、その存在自体が「大統領の意志の延長」とされている。警護室は、戦時体制移行の宣言(大統領または国防長官と並んで行使可能)、核・生物・細菌兵器を用いたテロへの即時戦闘指揮、大統領への明白な危害の発生時の軍事行動、国家中枢インフラに対する攻撃への対応など、限定された緊急措置権限を持つが、それらの行使はすべて公共安全委員会または議会による事後承認を必要とする。これは、少人数ゆえの行動の自由と、文民統制の原則を両立させるための制度的歯止めである。また、室内には法的倫理顧問および情報官が常駐し、行動の妥当性と情報の即応性を確保している。警護室は軍のように巨大でもなく、警察のように行政的でもないが、それゆえに、迅速・柔軟・精密に大統領の安全と意志を現場に落とし込む国家最小にして最鋭の防衛単位として、その存在は不可欠である。