①自分が死ぬときに対する考え:
助かる可能性があれば足掻くが、なければ清々しく諦める。そういう運命だと割り切ってそのまま死ぬ漢字である。
②エピソードフック:
《はじめて人を殺した日》
殺した実感もなかったし、殺した罪悪感もなかった。「あぁ、人間ってこんなに簡単に死ぬんだ」って感じたぐらい。あの日から僕の偽りの能天気が始まったね。
《もう痛くないって、嘘をついた》
BT-8の効きはいつも通りだった。
指先からじわりと痺れが広がり、胸の奥の鈍い痛みを押し込んでくれる。
“ああ、これで……少しは、動けるな”
そう思って、僕は壁にもたれたまま深く息を吐いた。
銃声はもう遠い。仲間の無線も切れて久しい。
鉄の匂いと、焼け焦げた床。
焼けたのは、たぶん血だ。自分の、かもしれない。
「……もう、痛くないんだ」
誰に言うでもなく、僕は呟く。
でも本当は、痛みは消えてない。
指先は震えてる。
背中から腹にかけて、嫌な冷たさがずっと居座ってる。
“でも、あいつらが戻ってくるまで、時間を稼がなきゃならない。”
“痛いって言っても、どうせ代わってくれる奴なんていない。”
だから、嘘をついた。
BT-8が効いてるふりをした。
笑って、喉の奥に血の味がしても、口角を上げた。
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