説明∶
先帝の反逆者。
経歴1:
1973年にスペイン・アプスブルゴ王冠領ナバラで生まれ、分離主義者の両親の元で育ったことで自身も分離主義勢力の活動に幼い頃から参加するようになった。ただ本心では乗り気ではなく、あくまで集会に参加する程度で暴力行為には加担しなかった。しかし1980年頃からナバラ紛争が本格化し、両親は1984年に帝国軍の砲撃に巻き込まれて死亡した後からリューディアは帝国を激しく憎むようになり過激派へと傾倒。1988年にバスク地方の有志を集めて「バスク民族解放戦線」を設立し帝国軍への対抗と並行して、帝国内へのテロ攻撃を複数敢行した。1991年のバルセロナ地下鉄爆破事件、1995年のアストゥリアス工廠襲撃事件など重大事件を複数起こしたことで知られるが、2017年にアストゥリアス帝国州を訪れたフェリペ7世夫妻に対するテロ攻撃によってフェリペ7世は奇跡的に無傷だったものの、集中的に銃撃を受けた妻のドナ・エミリアが死亡したことでフェリペ7世はナバラ紛争における徹底的な報復を命令し、各地で虐殺が行われ拠点は徹底的に焼き払われた。
作戦は司令官職の抵抗もあったものの2週間続き、多くの人々が犠牲となり、リューディアもエステーリャの虐殺の最中、囚われ兵による尋問や非道な行為の多数により死亡した。
経歴2:
リューディアの死体は他の死体と共に埋葬される予定であったものの、RASHやエレナ・ニーナが実験素体を必要としていたこともあり秘密裏に多数の死体と共に売却された。リューディアはエーギル組織を用いた死者の蘇生実験に用いられることとなり、2020年に脳の一部をエーギルの細胞に置き換えられる形で蘇生し、実験の唯一の成功例となった。ただ、盲目や聴力の低下、発声体の障害などが後遺症として残ったことで実験事態は失敗したと見られ研究は停止され、リューディアは研究所の経過観察が行われた。
テロ行為によるフェリペ7世の暗殺未遂からフェリペ7世の怒りを買ったことで始まったナバラ殲滅命令は軍などから多くの批判を浴び、政治闘争の後にフェリペ7世が崩御し新たに即位したサビーネ1世によってナバラの帝国州から王国領への地位向上が認められた。皮肉にも、彼女のテロは虐殺と死と共にナバラの地位向上をもたらした。
経歴3:
数年の経過観察の後、抑制剤によって暴走の兆候や侵食の抑制が確認されたことや表社会においてサビーネ1世が宥和政策を打ち出して被害者などへの救済を発表したこともあり監視付きで社会復帰を認められた。なお、表社会では戦犯法廷での判決後に刑期を終えて留置所から出所したこととなっている。
現在は家族と共に地元で暮らしており、「罪滅ぼし」と称して孤児に対する支援を行っている。地元へ帰ってきた彼女は、紛争前の豊かな表情を失い「罪滅ぼし」以外に対して無気力になった。しかし同じ半エーギルであるシナノなどとの交流や今日における日常生活においてやや精神状態は改善しつつある。
余談:
なお、家族の中で彼女がエーギル化したことを知っているのは長男と夫だけである。盲目や声がでなくなった理由は「事故のせい」としている。また、出歩く際の偽名として「アデリーナ・エラストヴナ・ヴラジーミロヴァ」という名前がある。