「とにかく行くぞ。弾薬を再装填してから突入する」
目の前にいる一人の武警が、ドアの横に張り付いて
サプレッサー付きの突撃銃を装填しながらそう言った。
こちらも同じようにリボルバー銃に弾丸を込める。
「行くぞ」
「ああ」
「3,2,1― 突入!」
そう言いながらドアを蹴破って
部屋の中へと飛び込んだ次の瞬間、
内部にはありきたりで衝撃的な光景が広がっていた。
ギャングのボスらしき男が女性を人質に取り、
頭に大口径のリボルバー銃を突き付けている。
「おい! この女がどうなっても―」
サプレッサーにつきものの特徴的な銃撃音がし、
男は政府を言い終わらないうちに倒れた。
女の方はショックか何かで地面に倒れこんでいる。
「畜生、条件反射で撃っちまった」
「おかげで躊躇しなくて済んだな。
…で、この女はどうするんだ?」
「拘束するさ。殺さない事に越した事は無い」
そう言いながら女の方を見ると、
こっそりと男が持っていたリボルバー銃を持とうとしていた。
目線があった瞬間急いで銃に飛びついたが、
撃つ前に容赦なく射殺される。
顔面のど真ん中に穴が開いた。
「おいおい、美人だったのがこれで台無しだ。
容姿に頭が少しは伴ってりゃ、
こんなところで無様に死ななかったのにな…」
そんな言葉を聞きながら、無線に制圧完了を示す
短い報告を入れようとしたその時だった。
突入した反対側から爆発音が二回連続で響き、
直後に半ば叫ぶように無線連絡が入ってくる。
「こん畜生、一階のガレージから逃げられた!
奴ら梱包爆薬で封鎖線を強行突破しやがった!」
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