コンテンツ「お、戻って来たか。
今回も無事だったようで何よりだ」
「ありがと」
そう言って、彼女は銃痕だらけの建物に
もたれかかっている。
「ところで… 早く帰りたいならどうして、
屋根の下で呑気に雨宿りなんてしてるんだ?」
「あ、その事なんだけどさ…
ねぇ… また、傘貸してくんない?」
再びそう言いながら、彼女はウインクしていた。
全く、懲りない奴だ…
そう思いながらも、先ほどと同じように傘をさす。
「あ、そうだ。傘じゃなくても
逃走車両を捕まえたお礼のタクシー代か
代わりに車で送ってくれてもいいよ」
傘の下に入って次の瞬間、
彼女はそう言いながらこちらを見てきた。
「お礼? なんで俺が」
「えー、だってあいつらを取り逃したのはあんた達じゃない。
私がいなかったら、とっくに解雇されててもおかしくないぞ
…本当に、全く、性懲りもない奴だ!
数日後。海南島にあるチェコ軍駐屯地の一室では、
特別行政区政府の一部の主要メンバーやチェコ軍、
そしてBISが勢揃いしていた。
「…また奴らにやられました。
一つのギャング・グループが壊滅したようです」
「それが何だって言うんだ?」
「奴ら、最近海南独立賛成派のマフィアグループと
ドンパチやってたらしいですよ。
要は独立に協力する事へのお礼でしょう」
「マフィア? 行政区はそんなものまで動員してるのか?」
「ええ。金で動くんです、海南にとっては楽に動かせる駒ですよ」
「有事の際は酷いことになりそうだな。チェコ軍は迎撃できるのかね?」
「恐らくはできます… が、多くの損害を被るでしょうね」
「どのぐらいだ?」
「向こうがどれだけ兵器を密輸しているかによります」
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