「独立に反対する勢力がいるとは思えませんが、
強硬独立派に反対する勢力なら大勢いるでしょう。
無政府主義者や共産主義者、
労働者の自警団に退役軍人会…」
「それじゃあ… 独立勢力はどうなんだ。
多数いると聞いているが」
「親中派や親日派、それと少数民族の独立勢力。
前者は両者ともHCO加盟国ですし、
後者は非常に戦力が少ないです。
さほど脅威にはなりませんよ」
「さて―
諸君。それでは結論を出そうじゃないか」
「ええ」
「やはり、海南島における即自的なクーデターを行うべきです。
奴らに先手を取られたら負ける」
そう言ったのは空挺軍長官だった。
周りにいる何人かもそれに賛同する。
「慎重に行った方がいいのでは?
せめてうちのBISが証拠を確保するまで待った方がいい」
逆にそう言ったのはBIS長官だったが、
これはあまり賛同を得られなかった。
「意見が二分されているようですが、
あくまで我々は民主主義者です。
平和位に投票で決めることにしましょう」
全員の視線がそう言ったカンティロに向いた。
「賛成の方は右手を、反対の方は左手をお上げください」
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