「自分のことを''観測者''とか言ってますが」
ナポリタンのフォークを止めて、わざとらしく鼻で笑ってみる。
「自分がその''理を外れた存在''じゃないと、なんで言い切れるのですか?」
こうして、少し揺さぶりを入れてみたものの...。
「私は理から逸れてなお、自身の立ち位置を理解しているつもりです。自分が''何者でもなくなった''こ
とも含めて」
(まるで動じた様子がない...)
普通、今の台詞くらいでムッとするとか、感情の揺れといったものが、多少は出るものでしょう。なの
にこいつ温度ゼロ。なんか逆に冷たい。
「あぁ、ですが...」
ミーナがそう続けて、ほんの少し口角を上げた。微笑んでいる...。つもりなのだろうけど、その笑い方は恐ろしい程に冷たく温度がない。
「私に''付き合ってくれる方々''もいます。今も一緒に行動している同僚たちが」
(同僚...?)
こんなイカレマッドに好き好んで付き合うような人間がいるのだろうか?
「その、付き合っている同僚とはどのような?」
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