「急げ! ここの制圧に失敗すれば、任務に多大な影響が出るぞ!」
部隊を率いていた海南武警の
何としてでもこの任務を成功させようと意気込んでいた。
なにせここの確保に失敗すれば
まず一つ目にあの忌々しいカンティロ暗殺の瞬間を
全世界に発信することになるからである。
無論それは一時的な時間稼ぎに過ぎないが、
あくまで副次的な目標でしかなかった。
「総員下車しろ、目標は全ての階層だ!行け!」
車両をテレビ局の前に止めた後、
乗り込んでいた武警達を片っ端からテレビ局の中に送り込む。
「お、おい!
お前ら何しにここに―」
「海南武警だ、特殊任務で来てる!
速く道を開けろ!」
「え!?」
「いいから道を開けろと言ってるんだ!
速くそこをどけ!」
「りょ、了解しました!」
もちろん止めてくる局員たちもいたが、
全員が武装警察であることが分かると即座に道を譲った。
何せ、相手は短機関銃で武装している一群なのだ。
「我々は海南武警だ! 今すぐに放送を止めろ!」
そう言いながらニュースを放送しているスタジオへと突入する。
全員の視線がこちらに向いたが、
誰一人動こうとはしていない。
「で、ですが記者会見の生放送が―」
「優先命令だ! 戒厳令を今すぐ流せ!」
そう言いながら、兵士の一人が
アサルトライフルを天井に向かってぶっ放す。
「…急げ! 急ぐんだ!」
それを見て、殺されまいと
テレビクルーたちがあわただしく動く始めた。
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