「避難ルートの確保はどうなってる」
「機械化一個小隊を充ててますが、
それでも苦戦してます」
「クソ…
もう一個小隊投入しろ。
戦力の各自投入は悪手だがやるしかない」
「分かりました」
「このままだと総崩れだぞ、
こっちのヘリ部隊は何をやってるんだ。
上空支援を要請したんじゃないのか」
「地上からの無線報告によると、
先ほど空戦に巻き込まれました。
もはや到着は絶望的です」
「そうか… もしもの時に備えてMANPADSをかき集めておけ。
それで、港を防衛してる部隊は何をしてるんだ」
「避難民を順調に東州方面に向け脱出させてますが、
依然として多くの市民が取り残されてます」
「そうか。ほかの国の部隊とも協力する手はずを整えておけ」
「了解です。本国にそう連絡しておきます」
「アールピィージィ!」
そう誰かが叫んだ瞬間、
目の前にいた歩兵戦闘車が爆発した。
砲塔が空高く吹き飛んでいき、
横に合った一軒家の屋根に激突する。
「11時方向に敵兵!撃て!」
周りにいた兵士たちが阻止砲火を貼りはじめたが、
建物の中にいる敵兵にはあまり効果が無く
逆に数人が撃たれた。衛生兵が飛び出していく。
「こちらタンゴ23、負傷兵多数!
航空支援はまだなのか!?」
「スモークを展開しろ! このままじゃ全滅だぞ!」
後方に展開していた車両が煙幕を投射したが、
それは脅威を除去するまで
その場所にくぎ付けにされることを意味する。
「2時の方向に狙撃兵!」
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