目標は海口、三亜、儋州、万寧…
この島の混乱を物語るように、
海南に存在するほぼ全ての主要な都市が
攻撃目標に指定されていた。
「各艦、巡航ミサイル連続発射!」
20ヶ所もの防空・通信施設を標的にして、
全艦のVLSが一斉にミサイルを空に向かって打ち上げていく。
ミサイルはある程度まで上昇した後、
目的地に向かって一気に展開していった。
「大量の高速飛行体が急速接近中!」
「チェコ軍か!?クソ、とにかく対空戦闘を―」
「ダメです! 2秒後に命中し―」
海南島にあるいくつかのレーダーサイトは
それを捉えることに成功したが、残念ながらそこまでだった。
巡航ミサイルがありとあらゆる目標へと命中していき、
一瞬にして海南武警が築き上げた防空網が突き破られていく。
「回避軌道を取りながら低空侵入するぞ! 行け!」
そしてその隙間からは、まるで洪水のような勢いで
次々とチェコ軍機が侵入していった。
8月12日9時40分。
戦いはまだ始まったばかりである。
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