「なに、単なる景気づけだよ。
コイツで奴らの度肝を抜いてやるのさ」
「民間人に命中したら不味いことになりますよ」
ライラが呆れながらそう言ったが、
ルボミールはそんなこと気にしていないらしい。
「これでも戦争中は対戦車特技兵だったんだぜ?
確実に当ててやるさ」
「ま、形は違えど当たるでしょうね…」
「車両隊は突撃しろ!ハデに行くぞ!」
そう言って、ルボミールは勢いよく
対戦車ロケットをぶっ放した。
ロケット弾はハイウェイの少し手前に止まっていた
ギャング集団車両の中めがけて
吸い込まれるような弾道で綺麗に着弾し、
ガソリンか何かに誘爆したのか大爆発を起こした。
吹き飛んだタイヤが四方へと飛び去って行く。
それを皮切りに、自警団が乗り込んでいる
半装機式バイクや民間車両を改修して作った
即興の歩兵機動車に乗り込んだ車両群も一斉に移動を開始した。
全員が各々に持っている火器をフルオートで撃ちまくり、
中には分隊支援火器を狙いも付けずにぶっ放す者もいる。
薬莢をその辺にバラまきながら、
車両は急速にギャングの元へと突っ込んでいった。
「撃て、撃て!あの車両どもを止めろ!」
敵もすかさず撃ち返してくるが、
銃弾は車列の後方へと着弾する。
…ただ、反対にこちらの銃弾もあまり当たっていなかったが。
「あの、どこまで行くんですか!?
間違えれば民間車に突っ込みますよ!?」
「ドライバーに期待しな!」
「帰ったら訴えてやる!」
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