「おい、ロベルト!早く来てくれ!」
彼が呼んだロベルト・ジェムリチュカは、
自警団の中でも貴重な過去に衛生兵をやっていた兵士だった。
その言葉を聞き、彼はすぐさまマークスマンライフルを持って
こちらに一直線で駆けつけてくる。
「どうした、どっか撃たれたのか」
「右耳から出血してる! コイツを早くどうにかしてくれ!」
「おいおい、それぐらいで死ぬわけないだろ?
んなもん馬鹿げてる」
「何ぃ!? これで死んだら責任取ってくれるんだろうな!?」
「とにかく、
ここはスヴァトスラフとシュチェチナに任せて交代するぞ。
移動開始!」
「けが人になんて事させやがんだ、テメェ!」
…海兵隊所属のスヴァトスラフ・カウツキーと
空挺軍所属のイゴル・シュチェチナは、
遮蔽物に隠れながら先ほどと同じぐらい不毛な会話を行っていた。
「見ろよ、コイツは俺のCz.92セミオートショットガンだ。
しかも銃下部と上部に自前でマウントを乗っけてるやつで、
上に倍率2倍のアメリカ製テレスコピックサイトと
可視光と赤外線のモード切替が可能な
複合レーザーサイトを取り付けてあって、
下には軽量化されたフォアグリップをくっつけてあるし
しかもマズルブレーキだって装備させてあるんだぜ。」
「だから何なんだよ、スヴァトラフ?
撃てて殺せりゃそれで十分だろ」
「何? じゃあお前はどんな銃を使うんだよ?」
「ZK-383短機関銃。40年代の奴だが、
その分信頼性はお墨付きのいい銃だよ」
「そんな古い銃を使うのか?」
「故障しないからぶっ壊れも捨てられもせず、
こうやって古い銃になったんだよ。
逆にお前はそんな自分でカスタムしたような銃で、
問題も無く戦い続けられるのか?」
「安心しろ、この銃には対人用に特化した
高級な12ゲージホローポイント弾をフル装填してる。
この弾を食らってマトモに動ける奴はいないさ」
「そうか。お前が粗悪品を
掴まされてないといいんだがな」