「どうするんだ、分隊長?
下手に突っ込んだら全滅するぞ」
ルニャークのその質問に対し、
当の分隊長はこの男が最も聞きたくない回答を返した。
「ああ。突っ込むさ」
「…おい、何だって?」
「向こうもだいぶ人数が減ってるんだ、
とにかく増援が来る前に撤退させればいい。
おいアルビーン、好きなだけ手榴弾をぶん投げていいぞ。
奴らに地獄を見せてやれ」
「了解」
それから一呼吸おいて、
ルボミールは全員に大声で命令した。
「総員着剣しろ!
警官くずれどもに本当の戦い方を見せてやれ!」
それを聞いて全員がためらうことなく着剣し、
同じく着剣している敵兵めがけて全力で突っ込んでいく。
「売国奴どもめ!撃て、撃てぇ!」
そう言いながら敵兵が急いで射撃を始めたが、
既に後の祭りだった。
「愛国者どもを殺せ!」
「愛国者どもをぶち殺せェ!」
兵士達が口々にそうわめきながら、
一糸乱れぬ隊形で一斉にこちらにむかって突っ込んでくる。
その光景を見て逃げ出す敵たちに対し、
容赦なく背中から銃弾と銃剣をぶち込んでいった。
「だ、駄目だぁ!
ここに留まってると皆殺しにされるぞ!」
…戦局は一瞬で逆転した。
文字通り死ぬ気で突っ込んでくるチェコ空挺兵の前に、
ろくな訓練も受けていなかった民兵たちは
総崩れで無茶苦茶に撤退を始めたのである。
「躊躇はいらん!奴らを国の為に死なせてやれ!」
それに対し、先ほどまで劣勢だった友軍達も一斉に支援射撃を始める。
逃げ出していく敵兵たちは、攻勢開始時のように
再び片っ端からなぎ倒されていった。
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