『おかえりなさい!アーサー!』
満面の笑みと抱擁でアーサーを出迎えるのは
「ルイーシャ、、ただいま」
少し笑みを返して抱擁し返そうとすると....思い出してしまった。両手にこびりついた肉片と血、下腹部にまとわりつく血だまり。どうしようもない無力感。
視界が狭くなり、呼吸が早くなる
「はっ....はぁっ!!はぁっ!!カヒュ!!」
抱擁し返すことができない。肩で息をしながら膝をつく。
『アーサー?!大丈夫?!何が....』
自分にかけられる心配の言葉も、届かない。そして芋ずる式に思い出して辿り着いた。”敗北の記憶”
「っ....!!!!」
アーサーは直ぐに手洗いに駆け込みそのこみあげてきたモノを吐き出した。
「う”…あ”え”....あ”あ”」
もう空っぽなのに延々とで続ける。ルイーシャはそんな彼女を見ながら、ただ背中をさするしかできなかった。
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