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渓谷入口
ダイバー1「どうだ?中の様子は」
彼らは突入する前にドローンを飛ばして溪谷内の様子を探り始める。
ダイバー3「この溪谷はディープスレートの含有率が高いですね。兵器にいくらあっても困らないので今度採掘にでも向かわせましょう。洞窟内も生命反応は確認されず、そこまで枝分かれしている印象はありません。捜索も楽ですね。」
溪谷の出現により存在が明らかになった洞窟は特に危険な生物の生命反応も見受けられず、枝分かれのない一本道の深い洞窟だった。洞窟は更に下へ下へと続いているが…
ダイバー3「ん?なんだこの地層は…こんなの見たことないぞ…?」
それは更に洞窟を下って行った先に何も脈絡も無く現れた。深く濃い紺色の地面に淡い水色の光が星々のように瞬く地層が現れた。余りにも現実から隔壁された美しさと不気味さを兼ね備えていた。
ダイバー1「…なんだこの地層は…ダイバー7、君はこういった知識を持っていると聞いたが…何か心当たりはあるか?」
ダイバー7「…あくまで大学で習った程度なので専門家には敵わない知識しか持ってませんよ。しかし…こんな地層は見たことが無いですね…。」
地層から生えている植物か触手か分からない物がドローンに反応してぶるりと震える。
ダイバー1「こいつ…今何に反応した?」
ダイバー7「わかりませんが…光…風圧でしょうか?しかし、外部からの刺激に反応して受動的に動く植物でもここまで過剰に反応する植物は見たことありません。」
刺激や光量によって反応する植物はあれど基本的に動きは緩慢である。ここまで機敏に反応する植物は見たことがない。
ダイバー10「隊長、そういえばこんな迷信がここの住人から言い伝えられているようです。『音をたてると奈落の底からの使者がお前達を攫いに来る。』と。」
ダイバー3「なるほど、ドローンのプロベラ音に反応したのか?となると…」
ダイバー1「行方不明の原因が”奈落の使者”という可能性もあるな、あんな不気味な植物を見ては信じられないわけにも行かない。ここから先は直接捜索を行う。各員スニークでの移動とハンドサインを徹底しろ。」
ダイバーズ「了解!!」
こうして彼らは直接突入しての捜索を敢行することになる。