みうみう(統合国家ファントム)
補助霊 4f3af7a581
2023/05/10 (水) 22:30:31
DDD(Triple “D”)
前々から練っていた普通の茶番を出します。
マイクラの古代都市の探索となります。
どうぞよしなに...
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その場所は、deep(深く)dark(暗く)denger(危険)な場所…
国内の山岳地帯に亀裂が発生して渓谷が形成され、その付近にいた民間人が数人行方不明となる事案が発生した。
そこで統合国家ファントムは軍から志願者を募り、集まった者達で構成した特殊作戦部隊”ダイバーズ”(Diver’s)を結成、突如山岳に発生した渓谷内の民間人救出作戦が行われた。
ブロロロロ…キキッ!!
渓谷付近に数台の車両が止まり十数人の兵士が降りてきた。そのうちの一人が運転席の窓をノックし、言葉を発す。
ダイバー1「運転、ありがとな。助かったぜ。」
ピグリン兵1「へへっお安い御用さ”隊長”さん。…でも、これからあんな暗い穴にはいるのか?オラ怖くて無理だべ…?」
ダイバー1「これが仕事だ、命令を受けたら遂行するまでの事だろ?」
ピグリン兵1「…そうだな…ここで帰りを待ってるから必ず戻ってくるんだべ!」
ダイバー1「ああ。帰ったら一緒にホグリンのカツ丼でも食うか。」
ピグリン兵1「もちろん!」
お互いに挨拶を交わし、ダイバー1は通信機の電源を付けて交信を開始する。
ダイバー1「Diver1よりHQ、こちら予定ポイントに到着した。指示を請う。」
HQ「HQより”Diver’s”各員へ通達、これから作戦を開始してください。目的は行方不明になった民間人の救出。戦闘は最低限に留めて下さい。」
ダイバー1「diver1よりHQ、了解。聞いたか?戦闘は最小限に留めよとのことだ。」
その言葉に黒と赤の戦闘服やタクティカルベストを装着した各隊員は頷き、ヘルメットのような物を装着し始める。ゴツくなく、スリムな印象の物には、対防弾、ガスマスクのような呼吸装置や内蔵された暗視装置、通信機がついている万能フルフェイス型ヘルメットとなっており、全員が顔を隠したフルフェイス状態となった。
ダイバー1「diver1よりHQ、ダイバーズの捜索準備完了、これより捜索に入る。」
〜〜〜
渓谷入口
ダイバー1「どうだ?中の様子は」
彼らは突入する前にドローンを飛ばして溪谷内の様子を探り始める。
ダイバー3「この溪谷はディープスレートの含有率が高いですね。兵器にいくらあっても困らないので今度採掘にでも向かわせましょう。洞窟内も生命反応は確認されず、そこまで枝分かれしている印象はありません。捜索も楽ですね。」
溪谷の出現により存在が明らかになった洞窟は特に危険な生物の生命反応も見受けられず、枝分かれのない一本道の深い洞窟だった。洞窟は更に下へ下へと続いているが…
ダイバー3「ん?なんだこの地層は…こんなの見たことないぞ…?」
それは更に洞窟を下って行った先に何も脈絡も無く現れた。深く濃い紺色の地面に淡い水色の光が星々のように瞬く地層が現れた。余りにも現実から隔壁された美しさと不気味さを兼ね備えていた。
ダイバー1「…なんだこの地層は…ダイバー7、君はこういった知識を持っていると聞いたが…何か心当たりはあるか?」
ダイバー7「…あくまで大学で習った程度なので専門家には敵わない知識しか持ってませんよ。しかし…こんな地層は見たことが無いですね…。」
地層から生えている植物か触手か分からない物がドローンに反応してぶるりと震える。
ダイバー1「こいつ…今何に反応した?」
ダイバー7「わかりませんが…光…風圧でしょうか?しかし、外部からの刺激に反応して受動的に動く植物でもここまで過剰に反応する植物は見たことありません。」
刺激や光量によって反応する植物はあれど基本的に動きは緩慢である。ここまで機敏に反応する植物は見たことがない。
ダイバー10「隊長、そういえばこんな迷信がここの住人から言い伝えられているようです。『音をたてると奈落の底からの使者がお前達を攫いに来る。』と。」
ダイバー3「なるほど、ドローンのプロベラ音に反応したのか?となると…」
ダイバー1「行方不明の原因が”奈落の使者”という可能性もあるな、あんな不気味な植物を見ては信じられないわけにも行かない。ここから先は直接捜索を行う。各員スニークでの移動とハンドサインを徹底しろ。」
ダイバーズ「了解!!」
こうして彼らは直接突入しての捜索を敢行することになる。
ダイバー1「不思議な感覚だな。踏んだ感じの質感は苔のようだがどの苔類とは違う。それにこの色、宇宙の中にいるみたいだな。」
ダイバー7「水分含有量の違いでしょうか?それにこのゆらゆらと動いている植物は弦巻植物に近い形ですね。」
そうやってお互いの意見を言い合いながら彼らは下に下に降り続ける。
そしてついに辿り着いた場所は…
ダイバー6「ここは街?、いや遺跡か…まさか地下にこんなのがあるとは…」
ダイバー5「信じられない…深層岩で出来た建物が地下にある事ですら驚きなのにそれをレンガやタイルに加工する技術を持っているなんてな…」
かなり開けた所に出たダイバーズが見たのは、そこに広がる深層岩で出来た遺跡のような場所であった。
中央に巨大な建造物があり、そこの周りを外壁が囲っている。その外壁の周りにもチラホラと建物が建っていた。
また使われている深層岩も、加工されたもので占められている。自分達が使っているディープスレートレンガやタイルといった物が殆どだ。
ダイバー2「隊長、あの中央に位置する建物…見覚えがありませんか?まるで私達が使用する…」
ダイバーズ1「ああ…”ポータル”だな。基地に備え付けられた固定の戦術級ポータルに匹敵する大きさだ…大隊クラスなら余裕で転送出来る、このまま転用してもいいくらいだ。」
中央に位置する巨大な建造物…その上にあるのは何を隠そう”ポータル”である。
荒廃したポータルにも大きいものはあるのだが完全な形として残っているのは全くと言っていい程無く、起動はしていないものの完全な形で拝める物があるのは初めてだ。
ダイバー1「diver1よりHQ、渓谷内の洞窟に古代遺跡らしきものを確認した。このまま捜索を続けても良いか?」
オペレーター1「HQよりdiver’sへ、捜索の続行と遺跡の情報の収集をお願いします。」
ダイバー1「了解した。これから遺跡内を探索する。各員慎重に行動しろ。」
こうして彼らは隊列を組んで遺跡の中を進み続ける。
ダイバー10「近くで見ると良く分かるな…この加工技術の高さが。」
ダイバーズ3「今の我々と同じ加工技術、建造技術を持っているな。それに見ろあの部屋の内部を…」
そこには、いくつもの部屋に置かれているレッドストーンの回路であった。
床に敷かれたレッドストーンパウダーやリピーター、レッドストーンランプ…単純な配置であるが恐らくは試作でもしていたのだろうか。
ダイバー3「既にレッドストーンによる回路施工を行える技術をも持っていたのか…」
ダイバー11「さっき通り過ぎた時に見た街頭…俺たちが近づいた時にだけ点灯していた…どうやって?」
ダイバー7「先程近くを飛んでいた蝙蝠にも反応して灯りが付いていた…恐らくは音だ。ここにいた文明は高い技術もさることながら音波によって発達したと考えられる。」
ダイバー12「だとしたら何故通路に羊毛が敷いてあるんです?…羊毛は音を吸収する。音によって反応するのなら抑制するような事をわざわざ行うなんて考えられません。」
ダイバー7「確かに君の言うとおりだ…いや、抑制せざるをえない事情があるのかもしれない…我々は余りにもこの場所を知らないのだからな…」
彼らの考察を交えながら捜索は続く、しかしながら人の気配は全く無く難航していた。
そして中央の巨大な建造物に差し掛かろうとしていた頃…
ダイバー1「…!?止まれ。」
彼らが止まった先にあったのは祭壇に掲げられた頭蓋骨とそこの近くに横たわっていた人の…死体。
ダイバー1「diver1よりHQへ、行方不明者を発見…既に死亡している。時間の経過により腐敗が酷い…指示を乞う。」
オペレーター1「HQよりdiver1へ、diver'sは行方不明者の遺品を回収後にここからの離脱をお願いします。」
ダイバー1「この遺跡の解析は?」
オペレーター2「現在は不要です。後々に解析部隊を再編成します。身の安全を最優先してください。」
ダイバー1「了解した。diver1よりdiver'sへ遺品を回収後に速やかにここから離脱するぞ。」
ダイバーズ「「「了解。」」」
〜〜〜
こうして彼らは遺品の回収作業に入りながら遺体の状態を確認する。
ダイバー6「隊長、この遺体…腐敗が酷いだけじゃありませんね…外傷が酷い。まるで巨大な何かに襲われたような…」
ダイバー1「ああ…獣に襲われたにしてはおかしい…何かしらの大きい衝撃を喰らったような…」
彼らが行方不明者の死因について話している間…周囲の警戒をしていた者達はあるものを発見する。
ダイバー2「隊長、少し見てもらいたい物があるのですが宜しいですか?」
ダイバー1「ああ、遺品は回収した。見てもらいたい物は…これか?」
ダイバー2が指差す十数m先にあったのは、ここと同じ地層の色を有し、立方体の形をした箱のような物。上面は艷やかな黒で、4つの角には白い突起物が生えている。
ダイバー7「こんな物…初めて見たな…」
ダイバー5「気をつけろ、どんなものなのか分からん。」
ダイバー1「ああ、ゆっくり近づいていくぞ」
こうしてdiver'sはそれにゆっくりと近づいていく、残り後数mになった時…
ダイバー10「!?急に近くの草がざわめき始めたぞ!!」
ダイバー7「音波があの物体に吸い込まれていく…起動した?」
そう、一定の範囲に足を踏み入れた瞬間に近くの植物がざわめき、先程の物体に音波を飛ばし、それを吸収して”起動”を始める。
4本の白い突起物が蠢き、上面から音波を放出する行動を3回繰り返した。そしてそれは遂に…
ダイバー3「何なんだ…こいつは…!?」
先程の物体、名は”スカルクシュリーカー”と呼び、それは近くにあった植物こと”スカルクセンサー”から発する信号を受けて作動し、3回作動した”スカルクシュリーカー”は恐ろしい怪物を召喚する。
名は”ウォーデン”。
ダイバー1「こいつが噂の怪物か、全員距離を取れ!迎撃用意!!」
“スカルクシュリーカー”の近くの地面から這い出てきた怪物”ウォーデン”は、人間よりはるかに大きな筐体を持っていた。
深い紺色の体、目のないのっぺりとした顔に生える2本の角、胸に開けた大きな口。
おおよそこの世界の生物系統樹に当てはまらないような見た目をしていた。
ダイバー1「撃て!!」
瞬間、”ウォーデン”を半円状に囲っていたダイバーズがアサルトライフルを撃ち、百発近い弾丸を怪物にプレゼントする。
並みの生物なら即死である程の弾丸を喰らっても尚、怪物はビクともしない、それどころか体をブルリと震わせた”ウォーデン”はありえない速度で迫り、部隊との距離を詰める。
その先にいたのは…
ダイバーズ4「なn…!?」
薙ぎ払われた剛腕は、近くにいたダイバー4に直撃。『メシャリ…』という音をたてて吹き飛ばれたダイバー4は左腕を潰され、左脇腹から浸透した衝撃は内臓を複数個損傷、致命傷どころか即死を彼にもたらす。
厚さは薄いものの、ネザライトをコーティングされ、防弾レベルⅢ以上の装備を着用していたにも関わらずだ。
壁に打ち付けられぐったりしているダイバー4を尻目に、その命を奪った死神は先程と同様の速度でダイバー8に肉薄する。彼から至近距離でライフルを喰らっているにも関わらず、その剛腕を躊躇せずに振り下ろした。
『ゴチャッ』
“ウォーデン”は背筋が凍る音を響かせて人間を文字通り叩き潰した。地面を陥没させる程の力を受けたダイバー8の上半身は潰れ、血や臓物がザクロのように飛び散る。
ダイバー9「何なんだこの化け物!!強すぎるだろ!!」
ダイバー3「手榴弾を投げる!全員距離を取れ!!」
怪物の強さに驚きを隠せないが、彼らは冷静に対処する。怪物の前に転がされた手榴弾は爆薬による爆発で衝撃波と金属破片を撒き散らし、怪物を爆炎に包んだ...
ダイバー1「時間は稼いだ、あの化け物から距離を取るぞ。」
流石の相手でもこの爆発を受ければただでは済まないだろう。彼は”スカルクシュリーカー”によって暗闇状態が付与され淀んでいる視界を暗視装置で補助しつつ怪物を見続ける。
”ウォーデン”はうつむいている…ダメージが通ったのだろうか…しかし、突如衝撃波が自らの横を通りすぎる。
ダイバー1「なんだ!?何が起きた!?」
生じた衝撃波にもまれながら咄嗟に受け身を取る。砂埃舞う中で彼が見たのは…
ダイバー7「口…?そこから放ったのか…?」
そこには胸にある口を大きく開けた”ウォーデン”がそこにいた。奴はその”口で”大きく息を吸うと…
『ドゥッ!!!』
まるで息を吐くように放たれたのは青白いレーザー…否、衝撃波である。直線かつ高初速で放たれたそれは回避行動をとれなかった…
ダイバー11「なっ!?」
衝撃波は彼を直撃、残ったのは直撃を免れた両足、両手、頭…”胴体”を貫通し、消し飛ばされたダイバー11だったものがボトボトと地面に落ちる。
そして…
ダイバー5「クソッ!!体が動かない…」
”ウォーデン”が放つ衝撃波が及ぶ範囲は直撃だけでない、掠っただけでも人を吹き飛ばすくらいの威力はある。ダイバー5は直撃こそ免れたが衝撃により飛ばされ、当たり所が悪く体に軽くないダメージを負ってしまった。
ダイバー5「グッ…」
何とか這って武器を取ろうとする。しかしその頭上に影が降りる。
ダイバー5「…」
彼の目から生きようとする意志…光が消える。
『グシャ!!!』
死を宣告する鉄槌が降り降ろされた。巨大な足に踏みつぶされたダイバー5はダイバー8と同じ運命を辿る。
ダイバー2「奴に構うな!こちらの損耗が激しすぎる。」
ダイバー1「同感だ。我々の攻撃は通じず、奴の馬鹿げた火力をこの装備じゃ防ぎきれない。さっさと退散しないと只の餌になるな。」
ダイバー6「…何だ?足音が増えてる…?あの影たちは…」
何発も放たれた衝撃波によって生じた砂埃によって化け物の影が分散しているのかと思っていた。しかしそれは間違いだと悟る。砂埃から現れたのは…1、2、3、4…
そこにいたのは音によって反応した”スカルクシュリーカー”が追加召喚した6体の”ウォーデン”であった。召喚したてなのか、角を動かしながら捜索するようにゆっくりゆっくりと歩み寄ってくる。
ダイバー10「一体でも対処不可なのに…勝てるわけない…こんなの。」
ダイバー12「勝つ必要はありません…自分が時間を稼ぎます。皆さんは早く離脱をお願いします。」
誰かが殿を務めなければ逃げ切る事は不可能。ダイバー12はその殿役を自ら進んで申し出た。
ダイバー1「ダイバー12…申し出はありがたいがこれ以上犠牲は出させられない。」
ダイバー12「いえ、私はもう長くありません。この命が皆さんの生きる希望になるのならそれは本望です。」
見れば、彼の脇腹には深い傷があり、血が零れている。応急手当なんてしている余裕はなかった。
ダイバー10「なら俺も行こう、色々と骨折して逃げるには足手まといになるからな。」
ダイバー1「ダイバー10、12…すまない。君たちの想いは我々が引き継ぐ。その死は無駄にしない。」
ダイバー12「仮結成でしたが今までいた中で良いチームでした。後はよろしくお願いします。」
ダイバー10「楽しかったですよ。ではまた”向こう”でお会いしましょう。さあ行ってください!!」
そういうと二人は最後の力を振り絞って化け物共に立ち向かう。ありったけの弾丸を吐き出し、持っている手榴弾を投げつける。これで倒せるなんて思っちゃいない、残りの隊員が逃げられる時間さえ稼げればいいのだ。
小銃弾では効果は薄いが手榴弾の効果は高く、数十秒間奴らの足を止める。ダイバーズも稼いだ時間を有効に使い”古代都市”から出る事が出来た。しかし…その代償は2つの尊い命であった。
ダイバー10は”ウォーデン”の突進をモロにくらって壁に叩きつけられ、赤いシミを作ることになった。
ダイバー12は肉薄しすぎて”ウォーデン”の正拳突きを正面から喰らってしまった。結果は前にダイバー4が身をもって証明してくれている。
ダイバー1「ダイバー4…5…8…10…11…12…すまない…仇は必ず取る。見ていてくれ…」
そういって生き残ったダイバーズの6人は命からがら古代都市から離れる事が出来たのであった。
~~~
遺跡からの脱出後、ダイバーズは”古代都市”が見える洞窟内にまだ残っており観察を続けていた。対象はもちろん”ウォーデン”である。
オペレーター1「こちらHQ、一時的に通信が遮断されていましたが無事ですか。」
ダイバー1「こちらdiver’sよりHQ、離脱に成功した。しかし未知の生物による襲撃を受け部隊の半数が死亡した。現在は未知の生物の観察を行っている。」
彼らは仲間の仇を逃さないと望遠機器を使用して”ウォーデン”を必死に観察している。しかし…
ダイバー1「…クソッ…対象が帰っていく…」
”ウォーデン”は対象が見つからないまましばらく経つと地面に潜って消えてしまう。ダイバーズを散々蹂躙した後、興奮状態が解けて一定時間経過したからである。
ダイバー1「…対象をロストした。帰投する。」
オペレータ2「diver1、了解しましたdiver’sは直ちに帰投してください。」
ダイバー1「ああ…”乗客”は半分になってしまったが待たせてあるのでな…」
ダイバーズは荷物を纏めて”古代都市”を後にする。
ダイバー1「待ってろ…仇は取るからな…」
こうして、”古代都市”の探索劇は統合国家ファントムの敗北で幕を閉じた。
…はずだった
次回:Operation Babylon
クソなが茶番になってしまいましたがまだ古代都市制圧編が終わっていないため分割しました。
続編は気長にお待ち下さい...(笑)
シンプルに楽しみ()
こうやって我が国でS級危険生物兵器「ウォーデン」は見つかったのか…
我が国...?