上のは流石にあやふやな言い方すぎたので、この際すこし時代的・歴史的概観を補っておこうと思った。わたしは今、富野「小説」を読んでいるところでアニメ史のような関心が深いわけではないがあれば役に立つ。
- 『日本アニメの革新――歴史の転換点となった変化の構造分析』氷川竜介, 2023
新書。総論として手引にする。氷川竜介さんの記事のあれこれはわたしは常にお世話になっているが編集監修解説を除いて「著書」は案外手元になかった。 - 『アニメと戦争』藤津亮太, 2021
個別話題、わたしは富野論よりこのテーマに興味がある。藤津亮太さんの著書も読んだことがない。
もう数年はほとんどアニメも映画もTVも、ネット動画も観てもいないのに今更アニメの歴史に詳しくなろうとは思わない。昨年までの続きで、殺人または戦争、の話に興味がある。
メディアの暴力性についての批判の経緯などは、評論家や教育家の本は今いい。歴史や心理学的な基盤に遡って詳しいのは、
- 『「人殺し」の心理学』デーヴ・グロスマン, 安原和見訳 1995(1998訳)
これは先日挙げたばかりだが、やはり内容が良い。この流れではとくに1995年というのがリアルタイムだ。この本は有名だったらしいが、心理学にも知覚や認知や行動や動物や社会や教育や、実験や比較やというジャンルがこまごまあって書名も知らない。
演出家としては云々は富野ではなくて真下耕一『EAT-MAN 殺しの遺伝子』が念頭にあった。真下監督は文筆家ではないんだ。
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