かとかの記憶

富野由悠季 周回 / 118

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katka_yg 2025/04/10 (木) 22:09:14 修正

『アベニールをさがして』2巻読了、つづき3巻。

2巻16章わたしは再読して面白いが、これは流石に初読ではハードルが高すぎる。互いの言い合いの内容が読者はほとんどちんぷんかんぷんだろう。わたしは著者の通読・周回しているからではなくて、最近こことはまた別の関心で日本の現代音楽史での連想なんかしていた、けどそれはわたしの趣味で他人にわからない。
……さっきのような、「将来のGレコ」みたいなフェイントを振っておいて裏切られてみた方が今読むには面白い。わたしはヘイヤーガンに熱心に思い入れて読み返してはみたかったし。今それ。

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    宇宙の宗教のところでメモっていて、あとで気づいたが、富野小説作品を読んできてここまで「実存」という言葉は出てこないようだ。それは確かめてみて意外に思ったくらいだけど、この『アベニール』2巻にだけふと「実存」の語が出てくる。

    実存という語がまた、日本語で使う人によってだいぶ意味合いに幅のある言葉だ。実存主義とかいうときには、それに伴って個人の孤独や不安がつきまとうような(伝統的に)言い方もするし、それはなくて純粋に(情感を伴わず)自体存在、というのに近い場合もある。『アベニール』ここで使われているのは後者に近いと思う。

  • 120
    katka_yg 2025/04/11 (金) 11:01:54 修正 >> 118

    16章の、何がといってともかくステーションのアミューズメントで殺人ヴァーチャルをさせているといって、みんなでアベニールを叩きにいくところは、今読んでも当時にも、読者も「そうだ、そうだ」と納得するよりは、話がクサくてげんなりする気分になるかもしれない。わたしは、フール・ケア以下槌田艦長らの絡み方のほうが何だかいやらしくて、大人げないと思う。

    それはそれとして、この小説当時の1995年という時勢は考えて思い出してみないと、公平でもない。テレビの見すぎとかアニメじゃないとか言われたのが10年は昔だが、より現実に少年の銃乱射事件とビデオゲームの直接関係が明らかにされたり、放送映像の規制論議やらになる〈年の順序〉というのは大まかに把握してはいても正確に因果順で憶えてはいない。
    だから、

    • 1995年にしては早いか、
    • 1995年頃ならまさにその問題の真っ只中か、
    • 1995年にしては遅れているか

    という目線で一歩引いてみたい。富野由悠季は殺人ヴァーチャルにそれほど怒れる人かというと、当人がガンダムはじめ戦争アニメの筆頭当事者であるし、凄惨でグロテスクなエヴァ的映像につべこべ言えるほどVガンダムやオーラバトラー戦記(92年完結)が健全だったこともなかっただろう。
    おおざっぱに映像規制の当時の動きと、世相や放送局に対してアニメ作家各々の態度などまた細かくなるだろうが、わたしは「演出家としてはファンだが無責任な態度はいただけない」ような分裂した感想を点々と思ったあたりだった。そこまでで、今後触れない。

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    katka_yg 2025/04/13 (日) 05:56:19 修正 >> 120

    上のは流石にあやふやな言い方すぎたので、この際すこし時代的・歴史的概観を補っておこうと思った。わたしは今、富野「小説」を読んでいるところでアニメ史のような関心が深いわけではないがあれば役に立つ。

    • 『日本アニメの革新――歴史の転換点となった変化の構造分析』氷川竜介, 2023
      新書。総論として手引にする。氷川竜介さんの記事のあれこれはわたしは常にお世話になっているが編集監修解説を除いて「著書」は案外手元になかった。
    • 『アニメと戦争』藤津亮太, 2021
      個別話題、わたしは富野論よりこのテーマに興味がある。藤津亮太さんの著書も読んだことがない。

    もう数年はほとんどアニメも映画もTVも、ネット動画も観てもいないのに今更アニメの歴史に詳しくなろうとは思わない。昨年までの続きで、殺人または戦争、の話に興味がある。
    メディアの暴力性についての批判の経緯などは、評論家や教育家の本は今いい。歴史や心理学的な基盤に遡って詳しいのは、

    • 『「人殺し」の心理学』デーヴ・グロスマン, 安原和見訳 1995(1998訳)
      これは先日挙げたばかりだが、やはり内容が良い。この流れではとくに1995年というのがリアルタイムだ。この本は有名だったらしいが、心理学にも知覚や認知や行動や動物や社会や教育や、実験や比較やというジャンルがこまごまあって書名も知らない。

    演出家としては云々は富野ではなくて真下耕一『EAT-MAN 殺しの遺伝子』が念頭にあった。真下監督は文筆家ではないんだ。

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