かとかの記憶

富野由悠季 周回 / 159

159
katka_yg 2025/04/25 (金) 02:25:54 修正 >> 157

不滅の英雄

英雄である日本武尊が死したときにその御霊は白鳥と化して飛び去った、という伝説である。多くの人がそれを見たと伝えられている。その目撃者が誰であったかはついぞ分からない。まことに実在した人かも知るまい。日本の建国神話の一端。

その物語にはなにものかにはたらきかけていずれかを志向するエネルギーがある。なにをさせるのかというと、白鳥の飛ぶ映像イメージは、音として聞こえれば『大和男の盛りを見せよ――』とも聞くだろう。見せよというから命令だ。

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    katka_yg 2025/04/25 (金) 09:34:28 修正 >> 159

    上でも一回掠めたけど、ガンダムリスナーだったら三枝成彰「ヤマトタケル」は聴かれてほしい。CDではオラトリオ。オラトリオ版オペラ版のYoutubeに動画があるけど、ラストの歌詞はそれぞれに省略か変更になっているみたいだ。バージョン違いがある。

    だがわれらは ヤマトタケルの
    (たけ)き心にふるい立ち
    悲しき命に涙する
    不滅なり
    ヤマトタケルは不滅なり
    空に海に大地に
    雲に雨に嵐に
    花々の匂いの中に
    子供らの瞳の中に
    ヤマトタケルは生きている
     
    あわれ 白鳥は
    ヤマトタケルノミコトの
    悲しみの歌なり
    ヤマトタケルは不滅なり
    悲しみこそ われらの命なればなり

    この不滅論が好きだとこの春も書いた、この詞はCDで聴ける。現代語の平易な台本と、このロジック(レトリック)はたぶんなかにし礼。時代を貫いて変わらない無名の、無数の庶民の感情は哀しみである。その哀しみこそ民族の生命である。英雄の物語は哀しみに彩られている。だから英雄は不滅である。