『ロカノンの世界』前回、小尾美佐訳。この文庫本の解説(小谷真理)にある、ル・グィンの少女時代のルーツ(本人談)には
- アスタウンディング誌(ルイス・パジェットなど)
- フレイザー卿(金枝篇)
- 北欧神話やアメリカ・インディアン神話
- ダンセイニ卿
文筆の仕事に入って三十代頃に、ロカノン時点でインスパイア元になったのが
- コードウェイナー・スミス(アルファラルファ大通り)
こういう書き方をSFでできるんだ!というコードウェイナー・スミスのショックはわかる(1961年)、のは前回書いた。ロード・ダンセイニについても、ダンセイニの初期のペガーナ神話や一連の幻想短編に没頭した気持ちはわかる。スミス自身の創作動機はまたそれともべつなことも言え(心理戦の研究)、ダンセイニも後期の作品(ジョーキンズやミステリ作品)を含めればだいぶ話は違ってくると思う。それを言ってル・グィンがダンセイニやスミスの徹底コアだとはかぎらない、アメリカ・インディアンの歌はわたしも昨年あらためて親しんだ。今はル・グィンの話。
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ル・グインが河合隼雄の読者だとはかぎらないという読み方を今ならする、というわたしの態度のこと。
ル・グインのルーツについての談話はおおよそ『夜の言葉』エッセイ集に載っている。