かとかの記憶

Volkhavaar / 18

26 コメント
views
18
katka_yg 2025/06/15 (日) 21:26:24 修正

Chapter 20の魔術の場面がこの小説の最大の見せ場と言ってもいいが、この魔術の原理とか方法について、しかじかと説明するのはまた、なんか知ったげに言ってみても、それはそれほど意味のないことだろう。これは実践的な魔術の章だとわたしは先に言っておく。

what Is, is, what Was, was, but what is To Be, may be otherwise.

続けて、what we believe Is, what we believe Was, and what is To Be will be. ――と、ここまではバルバヤート本人が理論を開陳していることだから良いとしよう。タニス・リーを読まなくても他にも書いてある。ここは、呪術の民俗学的説明ではないので、ここは実践するのが大事。小説だからな。

小説家が小説をどう書いているかについて、FTの読者また英文学者は「ここがすごいんです」というだけで、なぜ魔術が発動してるのかのようなことは結局知らない。そもそも、この老魔女と剣の問答において、剣が質問に答えるために剣が言葉を喋リ出していなければ、儀式は始まらない。前のページにもどって、

The Sword spoke.

しかも、It had, fittingly, a bronzy voice. …と。剣が喋らなかった場合のことなどはもう忘れているね。

通報 ...
  • 19
    katka_yg 2025/06/15 (日) 21:30:37 修正 >> 18

    邦訳はbronzyは「金属的」と書いてある。青銅的、とはいわないから、こういうのは訳せないかな。

    この頃の、初期のリー作品はやっぱり書いてて楽しそうだ。本人も夢中で書いているのがユーモアになって伝わるというか。いかにも、お硬い声だったんだよな。重々しくて。

    21

    「強情な」もありだ。