この『密会』のララァはまた、アニメの台詞をなぞっているようにみえるが、たとえば、『そういう言い方、嫌いです』といっても台詞の意図はちょっと違うニュアンスじゃないかのような、解釈が補われている。もとからそうだったとは思わないので、1997年版ララァということになるかな。演出の違いと。
通報 ...
この『密会』のララァはまた、アニメの台詞をなぞっているようにみえるが、たとえば、『そういう言い方、嫌いです』といっても台詞の意図はちょっと違うニュアンスじゃないかのような、解釈が補われている。もとからそうだったとは思わないので、1997年版ララァということになるかな。演出の違いと。
まじめにいえば、ガンダムにかぎらず80年代なら前後の星山小説、遠藤小説とか、もちろん安彦小説/漫画などなど、当時の気配は押さえておくべきで、富野作品やエッセイ「だけ」を読んでいるのは何か危ういとは思うけど。手元にあっても数が多いんだって……安彦作品はこの後で追うと思う。
いや、そうでなくて……わたしは、ガンダムとかの界隈を「再履修」したかったのではなくて、富野由悠季の文章、文体を読みたかったんだ。今の関心は基本それ、文のリズムとか語の意味とか。
語の意味というのは、用語のSF的や哲学的解説ではなく、『同じ言葉づかいをしていても前の作品と後の作品とで意味を違えてきている』のような、作家史的な。ガノタはとくに文学的教養に弱いからあえて今から始めても新たに価値がある。
「引用の元ネタを知ってる」という意味でなく、「作家の中でも意味をどういう重層・深化させているか」というはなし。その興味は乏しいとしたら、惜しいだろうといいたい。