通読では前回『ブレンパワード』を読むなか、オーガニック理論についての紹介で「EMOか」と一瞬ぴんと連想したが技術の内容はそれほど近くない。
『オーガニック理論』とは、有機的なエネルギー――オーガニック・エナジィ――を特定抽出するための研究だった。
生物の発散する力、生物が生きていくための力。それを自在に扱うことができるようになれば?
それは、無害で、無限のエネルギーを手に入れることである。実用化できれば、この地球を疲弊させている絶対的なエネルギー不足を解決することができる。
この理論が発表された当初、学会からは冷笑を浴びせられた。目に見えない、誰も触れたことのないものを掴むような、夢のような話だ、と。
書きぶりが似ていると思っただけだ。アベニールではEMO技術は確立して既に久しく社会の隅々まで普及していたが、ブレンの『オーガニック理論』はオルファンが発見されて初めて空想が現実になり始めた頃で、作中の扱われ方も違う。
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∀の話にもどると、∀ではナノマシン技術のほうをいうだろう……と思う。後で大きく使われるが、月光蝶でさえ大道具ではあってもストーリーの根幹の思想ではべつにない。福井小説のほうにはフロギストンかのように挿まれていたのだったか。
それもまた「微生物」じゃないが、巨大加速器とか巨大スペース・コロニーでなくて、一転して極微のそれ、という流れで思い返した。オーガニック・エナジイはアウラ(オーラ・エナジイ)の続きなのは無論。