かとかの記憶

リーンの翼 / 232

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katka_yg 2025/10/08 (水) 00:44:10 修正 >> 231

この春『ガーゼィ』を読み返す中で、ガーゼィの翼は「翼の靴」というアイテムは必要なく、クリスがいればクリスの足に直接生えるので、ひるがえってリーンの翼も、本当のところ靴は要ったのか要らなかったのだろうかと考えていた。旧版範囲のストーリーでは、これから後その話にもなっていく。

本当のところは翼の靴はいらなくて、心で飛べれば迫水も、迫水自身でいるだけで翼を顕現できたんじゃないか。『リーンの翼』はそういう物語にすればよかったと著者も思ったから、後のガーゼィではアイテムとしての翼の靴はあらかじめ廃止になったんじゃないか、とも、わたしは想像もしたんだった。

靴というアイテムは「象徴」、という考え方もある。もっともリーンの翼自体が象徴だと思えば象徴の象徴のようで冗長な装置かもしれない。

完全版後編の話も少し先取りをすると、結局『リーン』の中では靴は必要なもので、心ひとつでは飛べない。後には迫水とエイサップとで靴の取り合いのようなこともする。六十年間、迫水は戦場に出ていないほとんどの時間は靴を履いていないはずだが、魔的な道具と使い手の肉体との絆のような切れない関係があるのか……のように今ばくぜんと考えておく。

余談 1 / 2

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