この世界は夢か
話のあとにジョン・ロンは、
「君は、聖戦士であったとか?」
「幻想かもしれませんがね」
リンレイを幻想にはすまいとし、一方で迫水自身が聖戦士など幻想かもしれないと言う。
迫水に返って、『リーンの翼』のストーリーでは、迫水は特攻の死に損ない意識から発して、この世界バイストン・ウェルは究極的には自分にとって夢・幻ではないのか? という疑念が常にあったことは、前巻までの新旧対読で注意してきた。アマルガンに対しても常に食い下がっていったのはそこだ。ここで、なぜ生きるのか。
ガダバとの戦いの果て、迫水は聖戦士としてバイストン・ウェルに帰属することを選び得たようだったが、再び帰って来た今はまた曖昧になっているのか。ただし、その疑いを自覚して言葉にするようになっているのは、以前とは違う迫水に変化しつつあるように言っておきたい。
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