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ロックマンツルギ異聞第8話「暴食」

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!警告!
この回はツルギ異聞全編を通して最も汚い回です。
過去5作において僕は悪手ばかり使ってきました。
しかしこの回はそれらを凌駕する正真正銘のクソ回です。
第4作に匹敵あるいは凌駕する危険地帯に付き、覚悟の決まった方だけお進みください。

8月10日、基地内にて。
CPUをプラモデルや玩具ほどのサイズのミニボディに組み込まれた
ジュラファイグ、レディバイド、シルキーガ、ウィーゼランの4体を起動する時が訪れた。
この場にはロックマンの変身者のみならず汰威超組と赤灯回の構成員の一部も立ち会っている。
因みに玲の正体を汰威超組に明かす訳にはいかない為、ロックマンの変身者達はロックスーツを起動している。
「それじゃ、いくわよ…」
全員が気を張る中、ただ1人シェリーを他とは違う表情で見つめる人物が。
それは剣だった。彼の視線はシェリーを女性として意識しているかのようなものである。
「(どうしちまったんだ、俺は…博士に…そういう感情を…!?)」
「(まさか神崎の兄貴、シェリーの姐さんをそういう目で…いやいや愛に年齢は関係はありゃしねぇ…俺がどうこう言うのも野暮ってもんよ…
美音さんも俺より年上、それよりちいとばかし開きがあるだけさ…)」
傍らにいた翔がそれに気づくもそれを口にする事はなかった。

そんな中、ついにこの瞬間が訪れる。
「起動!」
運命の瞬間。
シェリーが端末のenterキーを押すとそれに伴いパソコンの画面にコマンドの進行を示すウインドウが現れる。
ウインドウの中の進行度を示す「プログレスバー」は最初は0%だったものの一瞬で100%に達し、それが終わるとウインドウは消えた。
その直後、それまで仰向けになっていた4体の「ミニ・レプリ」達は同時に目を開き、立ち上がった。
「「「「!!!!!!」」」」
寝ぼけることなく瞬時に完全に覚醒した4体は状況が飲み込めず当惑するがそんな中シェリーが彼等に声を掛ける。
「ライデン・ジュラファイグ、サンシャイン・レディバイド、ストリング・シルキーガ、私の事が分かる?」
「貴方は確かデルタの生みの親、シェリー・ブロッサム博士…」
ジュラファイグがシェリーに返答をしかけるが…
「何じゃあこれはあああああ!!!!!!!!小さくなっているだとおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
レディバイドが絶叫する。
「しかも技も使えないみたいですわ」
「力も弱くなっちまってるみたいっス…」
シルキーガとウィーゼランも困惑している。
更に周囲には見るからに柄の悪い集団もいる。
特にジュラファイグは五里石からの、レディバイドは火纏からの、
シルキーガは鉄弟からの、ウィーゼランは赤井からの視線を特に強く感じた。
「成程、そういう事か…」
「オレ達を捕虜にしてえええええ!尋問しようって魂胆だなああああああああ!!!!!!!!!!!!」
「人間は弱い者いじめが好きという話は本当ですのね」
「カーッ、オレが見てきたクズな不良共を思い出すっスわ!」
小さくなった自分達と今いる場所が敵であるはずのシェリーの基地である事と
周囲のヤクザ達を見てミニ・レプリ達は必然的に導き出される憶測を口にする。
「いや、そんなつもりはない」
剣が彼等の言葉を否定する。
「ロオオオオオオオックマアアアアアアン!!!!!!
オレ達を一度倒しておいてええええ!!!!どの口が言うううううう!!!!?」
レディバイドが恫喝する。
「お前達はデルタの子供のようなものでそのデルタは博士の子供のようなもの…
だから俺達も博士もお前達を敵のまま倒しておきたくなかったんだ」
剣が応える。
「君達の事を知りたいし、僕達の事も知って欲しいっていうのもあるんだけどね」
劾が加えて言う。
「もちろん無理に情報を吐かせるとかそういう意味はないよ。
私達の想いは博士の為にもデルタを止めたいという事だから」
「レオゴルドの犠牲を無駄にする訳にも行かねぇからな」
玲と翔もそれに続く。

「レオゴルドの…犠牲?」「あいつに何があったんスか?」
翔の言葉に反応し、シルキーガとウィーゼランが問いかける。

そしてロックマン達はレオゴルドとの思い出の事、そしてデルタが彼女にした仕打ちの事を語る。
この時魚原を始めこの場の一同の中では涙ぐむ者も。
「任務に背いたってぇとオレと同じっスが人間と仲良くなろうたあデルタも怒るのも無理も無ぇっス…
けど…これはやり過ぎっスわ…」
ウィーゼランの口調に悲しみと怒りがこもる。
「嘘で嘘を塗り固める人間に与しようとしたばかりに…!」
「下品で汚らしい人間共と仲良くなろうとしたばっかりによおおおおお!!!!!!!!」
「弱者を見下し威張り腐る人間に寄り添おうとしたばかりに…あんまりですわ!」
ジュラファイグ、レディバイド、シルキーガもそれぞれ嘆く。
「………それはデルタから聞かされた話だろう?君達には僕を含めた全ての人間がそのように見えるのかい?」
劾が尋ねる。
「いや、それは…」「全員が全員って訳じゃ…」
ミニ・レプリ達は口ごもる。
「貴方達のボディにはデルタとの通信機能も残してあるけど、どうしたいの?」
シェリーが問いかける。
「いや、それはオレ達が聞きたいぐらいだ…」
ジュラファイグは困惑気に応える。他の3体も同様に困惑した様子である。
そこで劾が切り出す。
「僕に考えがある」

8月11日、新宿駅。
「ここが新宿かああああ!!!!右も左も人間だらけだなああああああ!!!!!!」
「レディバイド、声が大きいぞ!」
幸い雑踏の中で、尚且つ「今いる場所」の影響でレディバイドの叫び声はある程度は搔き消されるものの、
衆人環視での大声はマナー違反である為剣がそれを指摘する。

現在新宿駅にはロックマンの変身者達とシェリー、そしてミニ・レプリがいる。
ロックマンの変身者達はロックスーツを起動していない。
玲がロックマンである事を明かしたくない為事前にこの日の行動はロックマンの変身者達並びにシェリーのみで行う事を汰威超組及び赤灯会と話を合わせたのだ。
この日に実施する行動は劾の提案で目的はミニ・レプリ達に人間の街を案内して人間の事を分かってもらうというもの。
ジュラファイグ&レディバイドはシェリー&剣&翔と、シルキーガ&ウィーゼランは劾&玲と行動を共にして自分達がロックマン達と戦った場所を含む都内各地を巡り最終的に東京駅で合流する流れとなっている。
因みにジュラファイグは剣のバッグに、レディバイドはシェリーのバッグに、
シルキーガ&ウィーゼランは劾のバッグの中に身を潜めている。

剣グループはまず渋谷に向かった。
バッグの中のジュラファイグとレディバイドは様々な建物、様々な人々、様々なイベントに目を奪われる。
「みんなそれぞれ別々の方向に向かっているようだが…どこに向かっているんだ?」
ジュラファイグが問う。
「仕事とか遊びとかデートとか…色々さ」
剣が答える。
「仕事おお!?任務みたいなもんかああ!!?」
これにレディバイドが尋ねる。
「任務ってのは俺達のようなヤクザ者や警察だの軍隊だのスパイだの…
まぁそういう戦ったり潜入したりする職業に使う言葉だ。
物作りだの商売だの運送だの報道だの芸能だの…そういうのは違う気がするな」
翔が答える。
電気屋のテレビや街頭ビジョンにはここ最近起こった様々なニュースが流れている。
その中で主なものは東京港襲撃事件、芦戸の正体、他には大手企業「サンライズビール」へのサイバー攻撃や
都内に同時多発的に発生し始めた失踪事件に関するものである。
「報道…ニュース…という事か…」
ジュラファイグがどこか気まずそうに言う。
「貴方を責めるつもりはないわ、だから、必要以上に自分を責めないで…」
「シェリー博士…」
そんなジュラファイグにシェリーは優しく声を掛けるのだった。
「芸能ってのはあ!ああいう歌ったり踊ったりとかする奴かあ!?」
別のテレビや街頭ビジョンに映し出される陽咲紫安、THREE-MIX、そしてバンド「ガネシア・リーフ」等の映像を見てレディバイドが問う。
「そういう歌ったり踊ったりもそうだがお笑いとか役者とかも含まれるな」
剣が応じる。
「芸能もそうだがあ!人間の店で売ってるもんは別に無くても生きていけるもんも
沢山売っているじゃないかああ!何故だあ!?」
「そこは難しい話ね。多くの人間は食べるだけじゃ生きていくこと自体は出来ても豊かな人生は送れないの。
それぞれに『やりたい事』があってその際お金が必要な場合もある。
そしてお金を稼ぐ為には『やるべき事』、仕事をして他の人間の「やりたい事」の手助けをすることで人間社会が成り立っているのよ」
シェリーが説明する。

剣グループが乃梓公園へと場所を移動したある時…
「仕事ってえのはあ!やるべき事って事だよなあ!じゃあやらねぇとどうなるんだあ!?」
唐突にレディバイドが問う。
「…最終的に、ああなる」
剣が指し示した先にはホームレスの炊き出しがあった。
「何なんだこの身なりの汚い人間たちは」
ジュラファイグが絶句する。
「ホームレスってのは何も皆が皆怠け者って訳じゃあねぇ。
何かやらかしてそうならざるを得なかった者、他の誰かに陥れられた者、
あるいは俗世との関りを捨てた世捨て人…
まぁ俺達ヤクザ者と同じく訳有りの人間が行きつく先さ…」
翔が寂しげに言う。

剣グループが去った頃だった。
「みんな存分に食ってくれ!おかわりもいいぞ!」
スタッフのほぼスキンヘッドで額付近にのみトサカのように髪を生やしたヘアスタイルの大男、太山大(おおやままさる)が豪快に声を上げる。
http://zeroi.stars.ne.jp/ooyama.png
「いやあ有難ぇ…」「遠慮なく貰うよ…」
ホームレスたちは列をなして並び、嬉々として炊き出しのカレーを食べる。
「(ククク…バカな奴らめ…)」
太山は内心笑みを浮かべる。
しばらくすると…
「うう、腹が痛い…」「うートイレトイレ…」「も、漏れ…!」
ホームレス達が急に腹痛を覚え一斉に公衆便所に向かって駆け出したのだ。
そう、太山はカレーに下剤を混入させていたのだ。
人数が多く、更に一人一人が個室に籠る時間も長いのでやがて「その時」は必然的に訪れる。
「も、もう限界だえ!!」
ギュルルルル…ブッチッパ!
並んでいたホームレスの1人、御間が「決壊」したのだ。
「パパ!」
春奈が思わず声を掛ける。
「クウウウウウ~、ホームレスだからって何でこんな目に遭わなきゃいけないんだえ~…」
御間は悔し涙に頬を濡らし、一方で他のホームレス達も漏らし始め現場は大惨事に。
「ガハハハハ、見たか社会のダニ共め!働かざる者食うべからずだぜ!!!」
その様子を遠くから見ていた太山は大笑いする。
だがその時。
ニュルルルル…
「え!?」
突如背後から現れた8本の触手に拘束された直後、太山はこの場から姿を消したのだ。

桧町公園にて…
剣グループは何かに向かって行列ができている事態を目にする。
その中の最後尾近くに並ぶ男を見てジュラファイグが思わず尋ねる。
「剣、アレは人間なのか?」
ジュラファイグが人間かどうか疑った人物。
彼の特徴は坊主頭で鼻と口が大きく、毛むくじゃらで肥満体型で服装は上半身裸にオーバーオールというものだったが
最大の特徴は五里石や熊害すら上回る身長であり実に272cm。
http://zeroi.stars.ne.jp/kabaguchi.png
周囲の人々との身長差は約1mにも及びその差は圧倒的である。
彼の後方には肥満体型で柄の悪そうな男が何人も並んでいる。
「…かなりデカい方だが、人間だ。
人間には色々な違いがあってデカい人もいれば小柄な人もいる。
外見だけじゃない。明るい人もいれば暗い人もいるし思いやりのある人もいればわがままな人もいる。
だから一くくりにするものではないって事だ」
剣は答える。

そして行列が向かう先はアンパンの移動販売車だった。
「この場合はあ!あの『アンパン』ってのを売ってるのが店主の『やるべき事』で
アンパンを買うのが!客の!『やりたい事』って事だよなあ!!?」
レディバイドが問う。
「…そうなるな」
彼から顔を若干遠ざけながら翔が答える。
「だったらあ!ロックマンがオレ達やデルタと戦っているのはあ!どっちだあ!!?」
「俺は、両方だな」
「俺もだ」
剣と翔は答える。
そして今度は剣がシェリーに尋ねる。
「博士がデルタを造ったのは『やるべき事』と『やりたい事』のどっちだ?」
「後者ね…」
シェリーは答える。
その時の彼女の声色と表情にはデルタへの想いが籠っていた…

その暫く前…
「同時多発失踪事件だが、一説によると伝説のアサシン『弩龍』(どりゅう)が活動を再開したらしいぜ」
アンパン屋への行列の後ろの方に並ぶ氷藤の友人が雑談の中で氷藤に話すが彼はそれを否定。
「無いな」「…?…」
氷藤はその根拠を説明する。
「今回行方不明になっているのはアイスケースに入るだの『殿様商売』をしただの
レストランでのカスハラだの試食品を一人で食い尽くしただの
『食』に関して何かやらかした奴ばかりだ。
弩龍が標的にしてきたのはヤクザや半グレ、悪徳政治家、詐欺師、カルト宗教…
そういうヤバい連中ばかりだとされている。
だからよ、弩龍の標的とは層が違うんだ」
「…相変わらず裏社会に詳しいな…それじゃあ今姿を消した弩龍はどこで何やってるか見当つくか?」
「それは俺にも分からねえ。案外近くにいるかもな」
友人の問いに氷藤が答えた時だった。

「この辺にい、美味いアンパン屋来てるみたいですよ~」
「じゃけん今行きましょうね~」
背後から複数の男の声が聞こえたかと思うとその男達は最後尾に並ぶ。
その男達のリーダー格の男を見た人々は思わずざわめきだす。
「あ、あれは…」
「巨 人 だ」
リーダーの男の余りの巨体に周囲の人々が唖然とする中、氷藤は別の意味で戦慄する。
「や、奴等は中央区で活動する『食い尽くし系半グレ』こと拉具乱需(ラグランジュ)…
大体の輩は美女に迫ってエロい事をしようとしたり、金が欲しくて他人から金品を奪おうとするが連中は違う…
連中はその有り余る食欲の為、他人の食べ物を奪う事が行動原理なんだ…
特にボスの樺口圧士(かばぐちあつし)の体格と強さは桁外れ…
奴には体が筋肉の上に脂肪を付けその上に筋肉を付けた『肉のミルフィーユ』だの
気に入らない人間や歯向かう人間は食い殺すだのヤバい噂ばかりあるぜ…」
「とんでもねぇ連中じゃねぇか!しかしよ、同時に今回の失踪事件の層と重なりゃしねぇか?」
氷藤と友人は青ざめつつヒソヒソ話をしながら列に並ぶ。
剣グループが去ったあと、氷藤の番が近づいてきたが同時に売り切れも近づいてきた。
「あんな奴等敵に回したら堪ったもんじゃねえ、ここは譲るぞ!」
「そ、そうだな…!」
氷藤一行は行列から離れるが、時すでに遅しだった。
樺口の1つ前に並んだ子供を最後にアンパンが売り切れてしまったのだ。
「申し訳ありません、只今アンパンは売り切れとなりました。
またのご利用をお待ちしております」
身長約2mで片目に傷がありアフロヘアーの店主、安藤竜政(あんどうたつまさ)が真摯に詫びる。
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すると樺口はブチ切れ出す。
「ふざけんじゃねえええ!!!!!ずっと並んでたのにこんなのはあんまりだゾ!!!!!!」
「ですから本日は売り切れです。また日を改めて…」
安藤が言いかけるが…
「っざけんじゃねぇえ!!おうゴラァ!このクソガキィ!!
おめーが並んでたから俺様がアンパン買い損ねたんだゾ!!!
こうなったら…そのアンパンよこすゾ!!おめー等もいつも通り既に買った奴からぶん取るゾ!!!」
樺口はあろうことか泣き叫ぶ幼児からアンパンを強奪しようとし、手下にも他の客からアンパンを強奪するように仕向ける。
「あああ、どうする!?これはロックマン案件じゃねぇし、オマワリなんかじゃ食い殺されちまう…
汰威超組…いやいや俺から連絡なんて出来る訳ねぇ…!赤灯会か自衛隊でも呼ぶか…!?」
氷藤が狼狽えている時だった。

「お客様、今回はお引き取り下さい」
いつの間にか安藤が樺口の至近距離に佇んでいた。
その直後…
ズドドッ!
「おうっ!!」
安藤は樺口のみぞおちに拳の連打を繰り出したのだ。
当てた箇所が1ヶ所に集中している為ダメージが累積し、それでいてモーションも小さいので安藤が拳を繰り出したのは傍目には見えなかった。
その結果樺口は小さく呻き声を上げてうずくまり、頭の位置が安藤のそれまでの高さになった時安藤は樺口に耳打ちをした。
すると樺口の顔がみるみる青ざめていき、しばらくすると樺口は手下達に指示を出す。
「おめー等、ずらかるゾ」
「へ?」

「どうせここのパンは噂ばかりで大したことないゾ!もっと美味いもん食いにいくゾ!」
「「「へ、ヘイ!!」」」
樺口は負け惜しみを言いつつ手下と共に尻尾を巻いて逃げた。

この一連の流れを見た氷藤は…
「(今一瞬あのパン屋から感じた強烈な殺気…まさか…な…)」
彼の中に安藤が弩龍であるという疑念が生まれる。
「(いや、ここにいるのはお客様を大切にする一人のパン屋だ…)」
しかしこの場の安堵に包まれた雰囲気を察して敢えて否定した。

一方安藤は…
「(フゥ、昔の血が蘇るところだったぜ…)」
氷藤の予想通り、安藤こそが弩龍だったのだ。
「(俺は変わったんだ、昔は殺しに明け暮れてこの手は血で汚れていたが、
今はこの手でお客様を幸せにし続ける…これからもな…)」
安藤は元はアサシンギルド「帝光」(ていこう)のトップアサシンだったが
人を殺す日々を送るにつれて人生が色褪せていき、生気も失っていった。
そんなある日移動式のアンパン屋からサービスでもらったアンパンの味に感動し、
結果アサシンを辞めてそのパン屋に弟子入りし厳しい修行の果てにアンパン屋を継いだのである。
しかし内に宿る外道を許せない魂は健在であり、超えてはならない一線を越えた者は彼に狩られるだろう。

一方、垃具乱需は…
「悔しいがこの俺様でもあいつには力では勝てないゾ…だったら低評価レビュー攻撃をしてやるゾ…!」
樺口が逆恨みで安藤が経営する「あんどうのアンパン」を炎上させようとするが…
ニュルルルル…
「「「「なにっ!!??」」」」
突如太山の時と同様に8本の触手が垃具乱需全員の手足に絡みつき、直後全員がこの場から姿を消した。

時は遡り劾グループはお台場のレストランに寄っていた。
劾グループが料理を注文すると配膳ロボットがやってきた。
「こちらがご注文の品となります」
ロボットの口調は抑揚があり人間のそれに近い。
「はぇー、この時代でももうレプリロイドがいるんスか…」
ウィーゼランが感心したように言う。
「違うよ、感情がこもっているように見せているだけでこの時代のロボットにはまだ心は無い」
「この時代の天才科学者の蝸牛博士ならあるいは…という気もするけどね」
ウィーゼランの言葉を劾が否定し、玲が付け加えるように言う。
「デルタさんが初めてのレプリロイドですのでもっと先になりそうですわ」
シルキーガが否定する。
「人間も心が無い単細胞生物から何十億年もかけて人間になったというから
レプリロイドが本当に心を持つまでには色んな段階を踏む必要があったのかもね」
「何十億年と100年じゃ大違いだよ」
劾の言葉に玲が笑顔を交えて返す。
シルキーガとウィーゼランも店内と窓の外の人間に興味深々である。
劾と玲がそれらを説明していく過程で話題が剣グループと同じく「やりたい事」と「やるべき事」の方向にシフトしていく。
「デルタが君達に説明した人間像は『やりたい事』を優先するあまり他人に迷惑をかけてしまうタイプの人間の事なんだ。
そういう人間は同じ人間からも嫌われて弾かれる。
それを分かって欲しい」
真剣な顔でシルキーガとウィーゼランに言う劾。
「そういう人間はたくさん見てきたっス」
ウィーゼランが頷く。
そして劾グループがレストランから去った後、正に「やりたい事」を優先し平気で他人に迷惑をかける人間が店内に出現した。
「お会計お願いしまーす」
派手な服装の若い女性が会計を申し出るが、これに対して店員が苦い顔をして苦言を呈する。
http://zeroi.stars.ne.jp/naruse.png
「お客様、料理を全く口にされていないようですが…?」
店員の指摘通り、女性客は料理の写真だけを撮って料理そのものは手を付けずに退店しようとしたのだ。
彼女はインフルエンサーの成瀬秀美(なるせひでみ)である。
こうやって飲食店で出てきた料理を写真だけ撮って食べずに退店する行為の常習犯なのだ。
「えー、私が注文した料理を私がどうしようが私の勝手でしょー!?」
「その場合は追加料金が発生いたします」
身勝手な反論をする成瀬に店員が説明をする。
「もー、店長呼んできて、アンタじゃ話にならないから!」
店員の説明に納得できない成瀬が店長を呼ぶように指示し、
結果店長がやってくるも平行線の押し問答が続く。
そんな時成瀬は他の客からの刺すような視線を感じてとうとう追加料金を払う道を選ぶ。
「あーもう!払えばいいんでしょ払えば!こんな店二度と来ないんだから!!」
「望む所だ、アンタは出禁だ出禁!!」
店長の怒号と店員と客からの店長への喝采を聞きながら成瀬は地団太を踏みながら退店する。
「キーッ!こうなったら炎上させてやるんだからっ!!!!」
成瀬はレストランをネットで炎上させようと目論む。
次の瞬間。
ニュルルルル…
「な、なによっ!?」
やはり触手が手足に絡みついたかと思うとこの場から消えた。

劾グループが代々木公園へ向かっている道中、彼等は渋谷区の路地裏にて柄の悪い劾と同年代の少年達が彼等と同年代の気弱そうな少年を代わる代わる蹴りつけている光景を目にする。
「ギャハハハハ、このサッカーボール、動くし喋るぞ!!」
「や、やめてよお!」

「カーッ、これは所謂『大部分のクズな不良』っスね!オレが元のボディだったらあんな奴等…!」
ウィーゼランが憤慨しつつ歯噛みする。
「何とも乱暴で下品ですわね…」
シルキーガの口調にも侮蔑の念がこもっている。
「見ていられないね…」
「沖藍!」
前に出ようとする玲を劾が制しようとする中、路地裏に新たに1人、別の柄の悪い少年が現れる。
「テメーらぁ!!クソダセー真似してんじゃねーぞ!!」
ドカッ!!!バキッ!!!
「に、逃げろぉ~っ!!」「ヒィィィイ~ッ!!!」
不良達はそれなりに人数はいたものの新たにやってきたたった一人の不良に手も足も出ず一目散に退散していく。
「あ、有難う馬場くん、本当に有難う…!」
気弱そうな少年が言う通りこの場にやって来たのは馬場その人だった。
「礼には及ばねぇぜ…」
馬場は背を向けてこの場を後にする。

「あの不良こそ漫画の世界みたいなカッコいい不良っスね!」
ウィーゼランが目を輝かせて言う。
「あいつが猪狩の言ってた馬場丁司だよ」
玲が教える。
「何か猪狩より全然イカしてるっス!」
ウィーゼランが嬉々として言う。
これを猪狩が聞いたら泣き崩れるだろう。

劾グループが代々木公園に着くと彼等は別の暴行の現場を目にする。
今度は幼い子供同士の間で行われるものだったが…
「またクズが現れたっスが…随分目がイッテるっスね…」
「この人間、上半身に比べて下半身が貧弱すぎますわ…」
劾達が見たのはマッシュルームカットで目がイっており上半身は巨大で筋肉質なのに下半身は年相応な少年が
ボクサーのような服装で全体的に筋肉質な少年を罵声を浴びせながら一方的に甚振っている光景だった。

数分前。
「ヒーローごっこしよ!キミが悪者ね!」
マッシュルームカットの少年がボクサー風の少年に宣戦布告する。
彼の名は菌壌茸土(きんじょうたけと)。
汰威超組見習いの孤児である。
http://zeroi.stars.ne.jp/kinjou.png
ちなみにこの時は目もイっていなければ上半身の大きさも年相応である。
「OK!それじゃあボクは格闘タイプのヴィランだね!」
ボクサー風の少年がそれを迎え撃つ。
彼の名は考坂拳志(こうさかけんし)。
赤灯会見習いの孤児である。
http://zeroi.stars.ne.jp/kousaka.png
茸土と拳志はどちらも両親に捨てられあらゆる児童保護施設から拒絶された問題児で最終的に各ヤクザに引き取られた。
当初は欲望のままに暴れ、なおかつ本気の殴り合いが「楽しい遊び」という超絶問題児ぶりだったが
それぞれの組で上下関係と任侠魂を叩き込まれ現在に至る。
尚、同じような間柄の馬場と猪狩に比べれば両者の関係性はどちらかと言うと良好である。

「打つべし!打つべし!」「マンマ…ミーア!」
ガガガガガガガ!!!!!!
拳志は洗練されたボクサー技で、茸土はアクロバティックな動きで互いの実年齢とは思えぬ激しい攻防戦を展開する。
しかし次第に流れが拳志に傾き始める。
「ええい、こうなったら切り札だ!じゃーん!」
茸土はポケットから笠の部分が赤地に白い斑点の配色になっているキノコを取り出す。
そしてそれを食べると急激に上半身が巨大化し筋肉質になって目も充血する。
「これマジ!?」
その様子に一瞬呆気に取られる拳志だったがすぐに構える。
「ボクのターンだよ、マンマー…ミーア!!」
ブンッ!!
キノコでパワーアップした茸土が拳を振るうも空振りする。
「そんな重くなった筋肉じゃ攻撃は当たらないよ!打つべし!!」
ガッ!
茸土は拳志から反撃をもらう。
その一撃は今の茸土にとっては大したことない威力だが拳志の攻撃が避けられず、
拳志に攻撃は当てられずジリ貧となっていく。
「負けイベントやヴィランが勝つ回ってのもあるんだからねー!」
「(このままじゃ、負けちゃう…!)」
一方的に茸土を殴り続ける拳志。
追い詰められていく茸土は次なる策を思いつく。
「あれあれ~いいのかな~?『赤灯会』のキミが!『汰威超組』のボクに!
こんな真似しちゃってさぁ~!?」
「う…それは…」
拳志はたじろぐ。
「このままキミがボクを痛めつけるんだったらさ~あにき達とおやじに言っちゃうよ~?
そしたら赤灯会は潰れちゃうかもね~?」
邪悪な笑みを浮かべて茸土が拳志を脅す。
茸土は過去に赤灯会と汰威超組の間に何があったのか聞いている。
それは初代赤灯会組長有栖(あるす)がご法度となっている筈の麻薬をばらまき
その範囲を渋谷区まで拡大させ
結果として汰威超組との抗争に発生したという事である。
壮絶な抗争の末、その抗争は汰威超組による有栖並びに有栖派の幹部紫田(しだ)の殺害を以って手打ちとなっている。
多くの赤灯会構成員にとっては有栖と紫田は組の恥で黒歴史であり現在は完全に
汰威超組に頭が上がらない。
また両者にとってウィーゼランが引き起こした暴走事件も記憶に新しい。
「ヤクをばっらまきせっきとっうか~い♪しぶっやぼうそうせっきとっうか~い♪
それっがボックにさっかっらえば~♪あにっきたっちにいっちゃっうぞ~♪」
ボカッボカッボカッ!
これらを踏まえ、茸土は囃し立てながら拳志を殴り続ける。
「ウッ…ウッ…」
拳志は悔し涙を飲みながら無抵抗でそれを受け続けて現在に至る。

玲はため息を吐きながら茸土に近づいていく。
「コラ茸土!!」
「れ、玲ねえさん!こ…これは遊びで…!!」
玲の怒号に茸土は恐れおののき言い訳をしようとする。
「それは分かってるけど大事なのは今どうやってこの状況になったって事!
途中からだけど聞いてたよ!」
「だ、だってこのままだとボク、汰威超組なのに赤灯会の拳志に負けちゃう…
組に泥を塗っちゃう…」
「ヒーローごっこでしょ!お遊びでしょ!」
涙ぐんで言い訳する茸土に玲が一括。
「飽くまで子供同士の遊びだから茸土が負けてもそれでアンタが組の名前を汚したり、
それで汰威超組が赤灯会に殴り込むとか有り得ないから!
それにねぇ…そんな麻薬みたいなキノコによる今のアンタの姿!
相手の弱みに付け込み体だけじゃなくて心まで痛めつける行為!
アンタのイメージのヒーローってのはそんなものなの!?」
「確かに…ヒック…ボクが悪者だ…ヒック…」
むせび泣きながらキノコの効果が切れて元の大きさに戻る茸土。
「拳志くんも組の名前を背負った戦いじゃないんだし、こんなバカの言葉を真に受ける必要は無いからね」
「へい…」
拳志は頷く。
「本当にごめんなさい、玲ねえさん」
「謝る相手が違う!」
玲に謝る茸土に玲はまた一括する。
「ごめんね拳志。ボクは…組の名前を守りたくて…だから、好きなだけボクを殴って…」
「嫌だ!」
拳志が力強く断る。
「弱みにつけこんで無抵抗の相手をいじめるのはさっきのキミと同じでカッコ悪いよ!
やるなら全力でやり合おう!」
「そうだね…そうするよ…マンマミーア!!」
ガガガガガガガ!!!!!

「全くあの子達ったら…」
玲の口調は呆れつつも暖かなものである
「いやー、これこそ熱き漢のドラマっスね…!」
ウィーゼランは感激する。
「何を見せられているんだろう…」
劾は呆気に取られる。
「私も同感ですわ」
シルキーガも困惑気味である。

暫くして劾グループが去った時…
茸土と拳志は大の字になって倒れていた。
「ボクの勝ちだ…」「いやボクだ…」
どちらが勝ちか言い争うが互いに反撃の力は残されていない。
「これもうどっちの勝ちかわかんないなぁ…次の勝負では決着をつけようね!」
「うん、またねー!」
茸土と拳志がそれぞれの帰路につき始めた頃だった。
ニュルルルル…
「うわわっ!?」
茸土の手足に触手が巻き付き直後彼はこの場から姿を消した。
それに拳志は気付かなかった。

剣グループと劾グループが東京駅で合流した時。
「お前達、人間の街を見てどう思った?」
ミニ・レプリ達は答える。
「嘘つきばかりじゃなかったな…」
「エロい奴も!汚い奴も!一部だったぜえ!!」
「弱者に優しい人間もいましたわ」
「不良か否かはクズか否かじゃなかったっス!」
そしてジュラファイグが締めくくる。
「予想より面白かったし、デルタのやり方に疑問が生じた…と言っておこう」
彼等を他所に、次のデルタナンバーズは既に任務を遂行し始めていた。

夜も更けてきた頃。
都内のとあるビルの内部にて…
従来はレストランのあるフロアがデルタナンバーズに占拠されていたが
何故かそれはすぐに発覚しなかった。
そこで展開される光景は地獄そのもの。
入ってすぐの地点に「残飯レストランへようこそ」という看板が立ち
レストランでは太山、樺口、成瀬、茸土を含む行方不明となっている人間達が席に着き「食事を」している。
異常なのはその行為が本人の意に反するという事である。
「やめろぉお!残飯なんか食いたくねぇえええええ!!!!!」
「ン”ーッ!マ゜ッ!ア”ッ!!」
彼等の後頭部にはタコのようなメカニロイドが貼りつき、捕らえられた人間の手足の動きを人形ごっこのように無理矢理制御しているのだ。
メカニロイドはデルタアタッカーズの「ドクトパス」。
ボディにはヒョウモンダコを思わせる黒く丸い凸面が点在し、触手の先端は注射器になっていて対象の動きを麻痺させ、
先端付近で無数の細い触手が枝分かれしてそれらが指に巻き付くことで
より細かい動きをさせることが可能になっている。
「食いもんを粗末にする人間共よぉ、テメー等には相応の罰を受けて貰うぜぇ!」
そんな彼等の前で背こそ低いが両腕の銛と背中の貝殻状のシールドで十分貫禄のあるイモガイのような姿をしたレプリロイドが言い放つ。
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「料理に下剤を仕込むテメーには下剤でぇ!」
太山は下剤入り料理を無理矢理食べさせられる。
「べ、便所に行かせてくれ…ウ!」
ブッチッパ!
程なくして太山は決壊する。
「人の食いもんを横取りする大食いのテメーはこの残飯を食ってフードロス問題解決に貢献しろや!!」
「グエエエエ、こんな腐りかけでごちゃまぜだと食えたもんじゃないゾ!!
このチーズなんて蛆が沸いて…」
与えられる残飯を中々飲み込めない樺口。
「その程度で大食いたあ大食いの名が泣くなあ!!」
煽るイモガイ型レプリロイド。
その時。
「(ん?いけるゾ!)」
何故か蛆虫入りチーズを飲み込む樺口。
「これこそ大食いだなあ!」
それをイモガイ型レプリロイドが褒めたたえる。

「ウエエエエン、ピーマンなんて食べたくないよぉ~!」
「好き嫌いは体に良くねぇぞ!」
ピーマンを食べさせられ泣きじゃくる茸土をイモガイ型レプリロイドが叱責する。

「どうだ撮る側から撮られる側になる気分はよぉ!!」
全裸の中年男性の体の上に盛り付けられた料理を成瀬が無理矢理食べさせられている。
「美少年なら大歓迎だけどこんなクサレオヤジの男体盛りなんてバエないし
食べたくもないわぁ~っ!!」
「俺だってこんな姿世界に発信されたくねぇ~っ!!」
成瀬と中年男性がそれぞれ絶叫する。
ちなみに中年男性は居酒屋で酔っぱらった挙句自身の部下の女性社員に女体盛りを強要しようとした迷惑客だった。

この映像はこの場に来ている「ある人物」によってネットに配信されているのだが、
配信の真の目的は成瀬と迷惑客のみならずイモガイ型レプリロイドも世間の晒し者にする事である。
映像には見るからに危険そうな反社の者よりも女性、子供、年寄り、
それ以外でも見た目では大人しそうで無害そうな者ばかりがクローズアップされて映し出され、
場所を示す背景も捕らえた人間を得意げに甚振るイモガイ型レプリロイドの姿もバッチリ映っていた。
この「真の目的」はイモガイ型レプリロイドは知らない。
そして配信の反響は各所各所で現れ始める。

「この背景、もしかして…浅草のウンコビル!?」
「犯人はロボットだ!こりゃ一連の事件と繋がってるな!」
「背景に移ってるのは行方不明者じゃないか?」
「己、女子供にも容赦のない極悪糞ロボットめ…!」
視聴者が気付いたように「行方不明者」達が現在いるのは浅草にある
屋上の金色のモニュメントが特徴的なビル「ハイパードライホール」である。
本社が背中から6本のアームを生やした虫型のデルタナンバーズによるサイバー攻撃に遭った際
「ハイパードライホールは休館」というメッセージが嘘ニュースの時のように各関係者に拡散されたのだ。
汰威超組では…
「菌壌はまだ帰ってこないのか!?」「躾が足りなかったか…それともどこぞの外道の仕業か…!?」「無事でいてくれ…!」
「落ち着け、あの子にはスマホを渡してある。当然GPSも入っておるわ」
帰りの遅い茸土に対し構成員達は心配する者、茸土に怒りの矛先を向ける者、
茸土を誘拐した「犯人」にそれを向ける者など反応は様々だったが
志熊が鶴の一声で落ち着かせる。
「ハイパードライホールじゃないかい。今日は休みだろう?」
場所が分かると裕奈が疑問を呈する。
「親父、これを…!」
強がスマホに映し出される現在のハイパードライホール内の惨状を志熊に見せる。
映像には茸土もイモガイ型レプリロイドも映っていたのだ。
志熊はすぐに構成員達にその映像を共有し、剣のアカウントに連絡する。
「デルタからの刺客のレプリロイドがうちの見習いを含めた現在失踪中の者達を監禁しておる。
一刻も早く救出してほしい」
「了解…博士、転送してくれ!」
「ええ!」
ロックマンの変身者達は基地に集合するとロックスーツを起動し
それが終わるとシェリーが彼等を浅草のハイパードライホール前に転送する。
ロックマン達がハイパードライホールに突入しようとした時だった。

「ああ^~」

不気味で間延びした声を響かせながら茶色いボディのフグ型の大型メカニロイドがロックマン達の前方の上空に出現した。
デルタストーマーズのショック・トゥ・ドックである。
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「「「「出たな…!」」」」
それぞれが武器を構えると…

どば~っ!

突如ショック・トゥ・ドックの口から勢いよく強酸が吐き出された。
バッ!
強酸は放物線を描いて放たれロックマン達が回避すると地面に直撃しその箇所をドロドロに溶かす。
「いくら防御型ロックスーツでもこれを喰らったらまずいな…」
劾が歯噛みする。
「芦戸の時とは段違いのヤバさだぜ…的はデカいがあの中に酸が詰まってると考えるとまともに攻撃も出来やしねぇ…そうだ!」
翔も顔を顰めるが暫くして何かを閃く。
そして翔はメットのゴーグルを目の位置に下げてショック・トゥ・ドックを透視する。
「…兄貴達!姉貴!ここは俺に任せて下せぇ!」
ショック・トゥ・ドックの内部構造を把握した翔はこの場の戦闘を引き受けようとする。
「透視か…」
剣の言葉に翔が応える。
「そうでさあ、このメカニロイドの中には酸を貯めておくタンクがありやす!
なら実際のフグの調理みてぇに毒を避けて料理しちまうって寸法ですぜ!」
「分かった、頼む!」
剣の言葉と共に翔以外の3人のロックマンはハイパードライホールに突入する。
「すぐ追いつきやす!」
翔は剣達に一声かけるとショック・トゥ・ドックに対峙する。

剣達が突入するとそこにはイモガイ型レプリロイドはおらず、代わりに囚われた人々の一部が3人を出迎えるように出てくる。
「ロックマンだ!助けてくれ!」
「これを何とかしてくれ!」
人々は口々にロックマン達に助けを求める。
「すぐに助けます!」
「待て、何か様子が変だ!」
即座に救出しようとする劾を剣が制する。
その時館内放送が流れる。
「よくここまで来たなぁロックマン共ぉ!俺はデルタナンバーズの1人、ブスティング・シェルコーン。
てめぇ等との戦いの為にこのビルの屋上を開放しておいた。
俺は『スペシャルゲスト』と一緒に屋上で待ってっからよぉ、俺と戦いたかったらまずはこいつらを倒して行きな!!てめぇ等…行け!」
声の主はイモガイ型レプリロイドで「スペシャルゲスト」は映像を配信した者の事だった。
そして放送が終わるや否や囚われた人々がナイフとフォークを手にして一斉にロックマン達に襲い掛かり始めたのだった。
その動きは人間が出来るものではないが、ロックスーツの前では脅威でもなんでもない。
「ちょ、何をするんですか!」
劾が距離を取って狼狽しながら人々に問いかけ人々もパニック気味に応じる。
「俺達だってアンタ達を攻撃したくねぇ!だけど、体が勝手に…!」
一方で剣は人々の様子を観察する。
「…そうか、頭の後ろに、メカニロイドが!」
ドクトパスを視認した剣が劾と玲にその事を伝える。
「桜井!沖藍!この人たちは操られている!タコみたいなメカニロイドに手足を無理矢理動かされ…
今のこの人達は人間ロボットなんだ!」
「じゃあメカニロイドを破壊すればいいんだな!」
「ここは私のターンって奴だね!」
劾と玲は頷き、剣と共にドクトパスを撃破し始める。
劾と剣は襲い来る人間を押さえつけてから至近距離でドクトパスを攻撃するのだが
玲は超高速移動しながらナイフ形態にしたロックナイフ・ガンでドクトパスを斬りつける。
その速さと正確さ故にフロアのドクトパスはほとんど玲が撃破した。
ドクトパスの制御から解放された人々は手足の痺れが残っている為地に倒れ伏す。
彼等から毒の話を聞いたロックマン達はシェリーにその事を伝えると
リアルタイムで連絡を取り合っていた志熊がある提案をする。
「囚われた者達はうちの組のお抱えの病院に転送してほしい。場所は…」
場所を聞くとシェリーはロックマン達に指示を出す。
「ツルギ君、ガイ君、レイ。まず彼等を研究所に転送してくれないかしら。
その後私が病院に転送するわ」
「「「分か(った)(りました)!!」」」
ロックマン達は囚われた人々を基地に転送していき、基地に転送された人々をシェリーが病院の前に転送していく。

その頃ハイパードライホール入り口前では…
翔は地上からロックバヨネットによる銃撃を見舞う。
ショック・トゥ・ドックは翔目掛けて強酸を放つ。
「ここまでは飛ばない…」
対する翔は酸の飛距離を見極めて回避しながら狙撃しつつ後方に回り込む。
しかし…

ポンッ!
ショック・トゥ・ドックの後部の発射口から勢いよく爆弾が放たれる。
爆弾は地面に着弾すると目くらましにもなる毒ガスの煙を放つ。
「毒ガスか…念には念を…だな」
翔は再度ゴーグルを下げて暗視モードを起動させると共に顔の下半分を覆うマスクを出現させる。
このマスクの主な機能はボイスチェンジャーだが防具にもガスマスクにもなるのだ。

「ああああ^~」
次にショック・トゥ・ドックは膨張して翔を追い詰め壁に挟んで圧殺しようとしてくる。
「こんな時ドスは便利だぜ!」
ブスッ!
「ああ^~っ!」
ショック・トゥ・ドックのボディの大部分は風船のような構造をしている。
風船の部分は硬式飛行船と同じくある程度は頑丈なれど膨らめば膨らむ程刺す攻撃に弱くなる。
その為ロックバヨネットの剣の先端で突かれた部分から一気に大量の空気が噴出し
結果ショック・トゥ・ドックは空気の抜けた風船の如く出鱈目な方向に飛び回り最終的に地面に落下。
動けなくなったところを翔が止めを刺す。
「やったぜ。」
翔はガッツポーズをとりハイパードライホールに突入する。
ショック・トゥ・ドック撃破とほぼ同時。爆弾から放たれた毒ガスは空気に触れると短時間で分解し、自然に消滅していった。

「追いつきやした!ん、兄貴達、姉貴…これは?」
劾達が囚われた人々を転送している最中で翔がその場に遅れてやって来る。
翔は事情を聞くと3人を手伝う。
それが全部終わったら4人は2階へと向かう。
2階でも同様に囚われた人々がドクトパスに操られロックマン達に襲い来るがその中に茸土もいた。
「茸と…」
玲が思わず声に出そうとするもすぐに引っ込める。
2階のドクトパスの撃破が終わると同様にロックマン達は人々を転送していく。
「良かった…!本当に良かった…!」
感涙の様子で茸土を転送する玲。
茸土は安堵感から違和感を抱く余裕もない。

3階でロックマンに襲い掛かる人々には太山、成瀬、迷惑客も含まれていた。
「何か臭くないか?」
「何だこの人、裸じゃないか!」
「この人はあのフォロワー数の多い…」
「悪名高い連中が結構いやすが、ロックマンが助ける相手としちゃそんな事不問でしょう、兄貴達、姉貴!!」
この階で待ち受ける人々はまともな者ばかりじゃない事を剣、劾、玲、翔はすぐに察したが
翔の問いに他の3人が即答で肯定しドクトパスを撃破していく。

4階。
この階では垃具乱需が待ち構えていた。
只でさえ垃具乱需は樺口を筆頭に巨漢だらけだが今はドクトパスに操られ従来以上の速さでロックマンに襲い来る。
常人なら絶望的な状況だがロックスーツの前ではこれまで通り脅威ではない。

やがてロックマン達は解放された屋上に。
4人の前方ではシェルコーンが金色のモニュメントを背に堂々と立ちはだかっていた。

「お前がシェルコーンか」
剣の問いをシェルコーンが肯定する。
「その通りでぇ、デルタナンバーズの一人ブスティング・シェルコーンたぁ俺の事よ!」
「お前の任務は何だ?」
劾の問いにシェルコーンが応える。
「人間ってえのは生きるのに食いもんが必要だが、それを平気で粗末にしやがる。
俺ぁそんな人間共に相応の報いを与えてんのよ」
「それで茸土も…許せないんだから!」
「随分余裕だなぁ、この状況分かってんのか!」
怒りの表情で自身を見据える玲と翔にシェルコーンは余裕気な態度を崩さず応える。
「俺ぁこの時の為に強化改造をして貰ったのよ。さっき言った『スペシャルゲスト』の手によってなぁ…デルタの旦那ぁ!!」
シェルコーンの号令に伴い彼とロックマン達とは別方向の地点に強烈な光が発生し、
光が収まるとそこにはデルタが姿を現した。
「「「「こいつが、デルタか…!!」」」」
始めて直接対面するデルタにロックマン達は身構える。
その時シェリーから通信が。
「ツルギ君、今からそこに行くわ…デルタと、直接話をさせて…!」
「待ってくれ」
剣はシェリーを制す。
「危険なのは重々承知よ、でも…」
「いや、そういう事じゃない。来るならミニ・レプリ達と一緒だ」
シェリーが自身の想いを伝えようとすると剣がある提案をする。
「え…?」
「デルタに裏切られた博士の想いを、デルタにもさせたくないんだ。
それにミニ・レプリ達にはどちらに付くか、どう生きるか選ぶ権利があるからな」
剣が意図を説明するとシェリーは承諾してミニ・レプリ達を伴って自身をハイパードライホール屋上に転送させる。

時間にして約40日ぶりの「親子」の再会だが両者にとってとても長く感じた。
「久しぶりね、デルタ…」
「お久しぶりです、シェリー博士」
互いに挨拶を交わす両者の表情からはあらゆる感情が読み取れる。
ロックマン達は割って入れる雰囲気ではないと固唾をのんでそれを見守り
シェルコーンも敢えて黙ってその様子を見届ける。
「どうして…どうして人間を偏った目で見るの…?あのタイムマシンの実験の時に何かあった事と関係してるの…?
お願いよデルタ、こんな事はもうやめて…!理由があるなら別の解決方法を探しましょう…!」
暫しの沈黙の後、デルタは回答する。
「ええ、ボクは見たんです…あの時、破滅の未来を。そしてその原因が人間の愚かさによる事も。
ですからそんな愚かな人間は我々レプリロイドが管理・支配しなければならないんです。
さもなくば破滅の未来が現実になってしまう…!」
彼の口調と表情には恐怖と悲しみと必死さが現れていた。
「デルタ!私も一緒に考えるから!こんな事はもう…」
止めるシェリーの言葉はデルタに届かない。
「ボクを止めても無駄ですよ博士…これは『やらねばならない事』なんですから…」
言い終えるとデルタのボディは黄緑色の筒状の光に包まれる。
光の中でデルタの周囲にいくつもの黒いパーツが出現しそれらはデルタのボディの下の部位から装着されていく。
頭部に黒いパーツが装着されると光が収束し、中から軍服とトレンチコートを思わせる強化アーマー「メガアーマー」を纏ったデルタが姿を現した。
直後デルタは傍らにオミクロンを転送で出現させ、それに跨る。
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「駄目だ、話が通じない!博士、逃げるんだ!」「わ、分かったわ!」
剣が割って入ってシェリーを促すとシェリーはミニ・レプリ達を伴い自身を基地に転送させる。
「ロックマン諸君、邪魔者は消えた。遠慮なくかかってきたまえ。
シェルコーン、出番だよ」
「ヘイ、旦那ぁ!」
シェルコーンもやる気である。
この時デルタは剣と翔の方を、シェルコーンは劾と玲の方を向いていた。
その為ほぼ必然的に向かい合った者同士が戦う流れになっていく。
その様子をシェリーはミニ・レプリ達と共にモニター越しに見ている。

シェルコーンがホバー移動で劾に急接近すると腕に装着した銛状のパーツの先端を劾目掛けて前方にスライドさせる。
ズドッ!
劾が回避すると銛はモニュメントに突き刺さったかと思うと銛周辺のモニュメントの部分がドロドロに溶けだしたのである。
「また強酸か…」
劾がつぶやく。
シェルコーンは自慢げに言う。
「おうともよ!この『アシッドハープーン』で突うずるっ込まれた物体はなぁ、同時に酸で溶けちまうのよ!
てめぇ等ロックマンもめった刺しにしてそのまま溶かしてやらぁ!」
「やれるものならやってみなさい!」
玲が銃形態にしたロックナイフ・ガンでシェルコーンを狙撃するも彼が背を向けることで背中の貝殻状のシールドで阻まれる。
「この『シェルシールド』は鉄壁で無敵よ!さあ反撃だぁ!」
またもシェルコーンが自慢気に言い、直後彼はスキージャンプのようなポーズを取り
銛状のパーツの向きを180度反転させ、シェルシールドの内部から頭部を覆うパーツをスライドさせて出現させ防御形態となった。
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その形態でホバーで高速移動しつつ劾と玲に攻撃しようとする。
その際劾は体当たりを喰らう事はあれど銛の刺突は何とか回避する。
玲は全ての攻撃を回避するがシェルコーンのボディに攻撃を当ててもボディの方も頑丈であるため決定打を与えられない。
さらに攻撃のほとんどはシェルシールドに阻まれるのだ。
「こうなったら…ストリングバインダー!」
「おうっ!?」
玲がストリングバインダーでシェルコーンを拘束する。

開戦時に遡り剣&翔VSデルタonオミクロン。
まずデルタが飛び回るオミクロンに乗った状態で手にした柄からビームが出る剣状の武器「デルタセイバー」を真横に構える。
そのままデルタセイバーを当てようと剣と翔に迫るが両者はバックステップでこれを回避。
通り過ぎたオミクロンは再度剣達に迫るべく方向転換をしようとする。
「隙を見せたな!」
以前戦った時のように狙撃してエンジンを破壊しようとする翔だったが…
「甘いね」
デルタがセイバーを構え、ロックバヨネットから放たれた光弾をことごとく掻き消してしまう。
その間に方向転換が終わり、デルタを乗せたオミクロンは再度剣達に迫るのだ。
デルタの攻撃はそれだけではない。
ある時は掌にエネルギーを収束させ光球を生成しそれを手榴弾のように投げつけたり。
またある時はセイバーを斜め前に向けて剣達との距離が十分にある時に
セイバーのビームを一時的に10倍以上の長さに伸ばして突きを放ってくる。
この間、デルタ達との距離が遠い時は剣は光の手榴弾を打ち返し翔はロックバヨネットによる狙撃を、
近い時はそれぞれの武器のチャージ攻撃による斬撃やスパークスマッシュの武器チップのロックコマンダーへの装填による電撃を纏ったパンチやキックで応戦する。
次にデルタは両腕を発光させた後交差し、さらにその後で両腕を広げる。
その両腕の軌跡に交差する2つの光の弧が生じ、直後それは複数に分裂し様々な方向へと飛んでいく。
方向は剣と翔のみならず劾と玲の方どころかシェルコーンの方向にも飛んでいき、
モニュメントや周囲のビルへ飛んでいくものもあった。
まさに無差別攻撃。
「く、流れ弾か!」
劾は喰らうも大したダメージは追わずシェルコーンはシェルシールドで完全に無効化し、玲は咄嗟に回避した。

その時剣がデルタに問いかける。
「今の攻撃、シェルコーンにも当たったが…それを考えていなかった訳ではないだろう。
自分の『子供』にする行為とは思えないな。
一つ聞くがレオゴルドの自爆は…お前の仕業か?」
デルタは事も無げに答える。
「ああ、奴はボクを裏切り人間に歩み寄り、あまつさえデスラジク破壊の手助けをした。
だから始末した」
デルタの回答は芦戸の時と同じく、いやそれ以上にロックマン達全員の逆鱗に触れた。
「だから殺したのか…ふざけるな!!」
「自分の『子供』でしょ!信じられない!!」
「せっかく…友達(ダチ)になったのによぉ!!」
劾、玲、翔がデルタにありったけの怒りをぶつける。

「何言ってやがる、あいつは裏切り者…自爆は自業自得でぇ」
いつの間にかシェルコーンが酸で糸を溶かし自由の身になっていた。
この言葉も劾を大いに憤らせる。
「レオゴルドは…僕達に歩み寄ろうとしたんだ…!希望を与えてくれたんだ…!
それを、あんな目に遭ったのが自業自得だと!!??」
「自分を基準に考えてんじゃねぇ!!」
シェルコーンは劾に急接近する。
「ぶっといのを突うずるっ込んでやらぁ!!」
至近距離でアシッドハープーンが劾の胴体に迫る。
「何で、なんだよ…!」
劾は刺突を回避し銛を脇に抱えると、怒りと悲しみをこめてシェルコーンの本体にチャージショットを叩き込んだ。
それは確かに手応えがあった。
すると大ダメージを受けたシェルコーンが狼狽し始める。
「デルタの旦那ぁ!強化改造ってぇのは嘘だったんかい!?本体をシェルシールド同等の硬さにしてくれたんじゃ…」
デルタは感情をこめずに答える。
「シェルシールドは今まで以上に、本体は従来のシェルシールド並みの硬さに強化はしたよ。
ただロックマンの攻撃には通用しなかっただけだ」
その口調に申し訳なさは感じられず嘘をついているようにさえ見える。
「本当だな!本当なんだな!!」
焦りながらデルタに念を押すシェルコーン。
「いいからロックマンに反撃したまえ、でなければボクが君を始末する」
デルタの口調は「子供」に対するそれではなく「物」に対するそれである。
その時だった。

「ウンコの上でロックマンがロボットと戦っているぞぉー!」
「頑張れロックマン!頑張れ!」

地上からのロックマンへの声援をデルタが聞き取る。彼の聴力は人間のそれとは比較にならないのだ。
「(………)」
デルタは何かを思案していた。
「うおおおおお!!!!!!」
シェルコーンががむしゃらになって劾に突っ込む。
ガシッ!
すると劾は先ほどのように銛を脇に抱え、その状態でシェルコーンを投げ飛ばした。
対してデルタは従来通りセイバーを構えて防御しようとするのだが、その結果にロックマン全員が絶句する。
何とデルタはシェルコーンをセイバーで串刺しにする事で衝突を防いだのだ。
「デルタの…旦那…」
シェルコーンは絶望して機能停止した。

流星のD-REX=ZZX(管理人)
作成: 2026/01/05 (月) 22:47:31
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1
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2026/01/05 (月) 22:51:35

そのままデルタは投げ捨てるようにセイバーを振ってシェルコーンのボディを剣にぶつけようとする。
剣はこれを回避。シェルコーンは床に激突しひびを入れる。
「これも『子供』に対する仕打ちか?」
「何でだ!!シェルコーンはお前を裏切ってねぇだろうが!!」
剣は静かに、翔は激しく怒りを込めて問う。
「デルタナンバーズは飽くまで駒だよ。駒には駒の役割があるんだ。
だからボクを裏切るレオゴルドも、戦いの足を引っ張るシェルコーンも、
あんな役に立たない小型のボディにされたジュラファイグ達も…要らない。
さあお喋りはここまでだ、そろそろ終わりにしよう」
デルタを乗せたオミクロンが剣と翔に迫る。
そして光の矢を放とうとする。
両手を取手から離さなければならないが水平移動なら問題ない。
腕を広げたのはかなり剣と翔との距離が縮まってきてからだった。
これは何本もの光の矢を剣と翔に集中的に当てようとしている事を意味する。
対する剣と翔はそんなデルタとオミクロンを真っすぐに見据える。
そして光の弧が分裂する瞬間…
「「喰らえ!!」」
剣と翔は各々の武器を交差させ、チャージ攻撃の斬撃を放つ。
結果巨大な十字型の光が現れそれは光の矢を全て打消しデルタとオミクロンに決定打とも言えるべきダメージを与える。
「思ったよりやるね…この場は引くとしよう。ではまたの機会に…」
そう言い残しデルタは転送の光で姿を消した。
去り際のデルタの悲しみと恐怖と使命感を同時に抱いているかのような表情を、剣は見逃さなかった。
そして下から自身達への喝采が響く中ロックマン達はシェルコーンのボディを伴って帰投した。

基地内では…
「オレ達は…デルタには付かない」
「裏切ってもいねぇシェルコーンを破壊しちまうとかぁ!!意味が分からん!!」
「世間で言う『毒親』ですわ」
「オレ達にもデルタは願い下げっス!!」
ミニ・レプリ達はデルタへの決別の意思表示をする。
「それなら喜んで貴方達を歓迎するわ」
シェリーは彼等を快く受け入れる。
「……デルタを敵、悪と断じるのはまだ早い気がするんだ」
暫しの沈黙の後、剣が口を開く。
「あの時は頭に血が上ってやしたがよくよく考えてみると俺にもそんな気がしますぜ」
「私は今日も含めて何人もの身勝手で凶悪な人を見てきましたけど、デルタはそういう人達とはどこか違う気がします」
翔と玲が賛同する。
根拠はデルタの思いつめたような口調や表情、挙動である。
「デルタが言う『破滅の未来』が鍵、という事だね…」
劾も頭の血が下りており、ただ単にデルタが我欲で行動している訳ではない事を察している。
「これも希望的観測だけど、デルタの左胸に黄色い三角形のケースが付いていたのを覚えてる?」
シェリーの問いに劾が応える。
「そう言えば付いてましたね、あれが何か?」
「あれはネームプレート。
デルタを開発して1年が経った記念にあの子に与えた『1歳の誕生日プレゼント』よ。
あの子はあれを貰った時、とても喜んで大切にしていたわ。
それを今も付けているの」
「博士への想いを捨てきれていない、という事か…」
シェリーの回答に剣も自らの憶測を述べる。
デルタの事だから人間のように「ついうっかり」とはとても考えられないのだ。
「必ず説得します、博士!」
劾が放った言葉はシェリーの為でもあり、デルタの為でもあった。
この一連の会話は大破したシェルコーンのボディと隣のシェルコーンのミニボディを前にして行われたのだが
起動前のシェルコーンは聞いていなかった。

デルタのアジトでは…
デルタはネットで自身への悪評とロックマン達への称賛を目にしていた。
「筋書き通りだ…」
デルタは呟く。
そして胸のネームプレートの入った黄色いケースを外し、見つめながら再度呟く。
「博士、分かってください…これは人類の為、博士の為なんですから…」

病院では…
「菌壌!」「茸土!」「本当に良かった!!」
汰威超組の構成員達が茸土の元に駆け付けたがそこには何故か拳志もいた。
「怖かったよおお~っ!!」
茸土は構成員達に縋りつく。
ちなみに毒は時間が経てば抜ける仕様となっている。
シェルコーンに囚われていた他の人々もこのまま帰れると安堵しかけるも現実はそうは甘くなかった。
暫くして病院の駐車場にパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
彼等はあくまで何かやらかした人々だった為、汰威超組と繋がりのある警察官がやってきたのだ。
「まぁ、あそこ(自分達が捕まっていたハイパードライホール)よりかはマシか…」
彼等の内、何人かは取り調べあるいは懲役刑となるであろうがついこの前の自分達の経験を踏まえ大して絶望はしていなかった。
樺口は警察が来る前に病院から逃げていた。

後日。
太山は余罪がいくつも発覚し莫大な賠償金の支払い義務が課される事に。
支払いの為には借金をしなければならなかったがその債権を蟹江が買いその結果ベーリング海送りになった。
成瀬は先日のレストランでの醜態がネットに拡散されフォロワー数が一気に0人になった。
おまけにあらゆる飲食店からブラックリスト扱いにされ出禁になり、
本当に食べたいと思った安藤のパン屋のアンパンも売ってもらえなかった。
そして樺口だが。
「俺様はこれから寄食の道を究めるゾ!!イタダキショーク!!」
蛆虫入りチーズで図らずもマイナーでグロテスクな料理「寄食」に魅せられ
日本を飛び出し世界中の寄食を探求するようになった。
その際現地で奇病にかかったり災害に巻き込まれたり現地マフィアと揉めたり様々な困難に巻き込まれるが
それでも彼はめげずに新たな寄食を求めて旅を続けるのであった…

続く

3
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2026/01/09 (金) 14:40:02

今年最初の投稿です。
年明け前に更新したかったのですが試行錯誤を重ね何度も案を出しては没にしてを繰り返したため書き納めではなく書初めとなりました。
まず冒頭の注意書きの意味ですが物理的にクソ回という意味でした。
僕のウンコ好きはウゴウゴルーガ、ぬ~べ~、画太郎作品、徳弘雅也作品、彼岸島、そして例のアレなど様々なジャンルを通ってきた過程の末のものですが
今回では例に挙げた作品の内最後の例のネタが集中しております。
僕の小説の過去作では第2作では(厳密には屁ネタですが)屁をこくスカンキー、第3作では作中で「糞」という言葉の多様とマーダーレスラーからのリュミエールの悪口が「誰か」に因んだものである事、
第4作ではフンコロガシ型のザコと脱糞するモブ、第5作ではファラリスオックスとファートの脱糞、
ドクターVとエヴィルを除くメタシャングリラの幹部の名前の由来などにウンコネタが盛り込まれています。
またヴェルトとファート、そして軽いネタバレですが今作の御間の身長体重も「誰か」に由来しています。

太山ですがモチーフはエグゼシリーズのデカオです。
厳密に言えば鼻から上がデカオ、口から下がエグゼガッツマンです。
どこかマンダレーラに似ているのは気のせいです。
カレーはアニメエグゼネタであるものの御間春奈以来の元ネタから考えられないクズキャラとなってしまいました。

樺口ですがモチーフはコマミのヒポポプレッサーです。
服装と肉のミルフィーユの噂はタフネタで下の名前は「リコーダーとランドセル」の主人公の一人「宮川あつし」(cv:置鮎龍太郎)に因んでいます。
カバモチーフでアンパンをねだるのはアンパンマンネタです。
そしてラストで寄食にハマるのはバグ大ネタです。
彼は身長が272cmで体重は727kgありますがこれは実際の人類の記録に因んでいます。
ただ現実の272cmの人物と727kgの人物は別人物で後者は身長が170cmしかありませんので
彼女に比べれば樺口は「痩せている」という事になってしまいます。

安藤ですがモチーフはアンドリューです。元ネタからしてアンドリューはかつてパン屋をやっておりました。
アンドリューの若い頃の髪型が分かりませんでしたので髪型はアンパンをイメージしたもので
カラーリングの元ネタはアンパンマンです。
彼の目の傷、下の名前、生い立ちはバグ大ネタですが下の名前だけ由来が異なります。

成瀬ですがモチーフはナルシー・ヒデこと山下日出の助です。
美音、理香に続きモチーフに拘わらず女性になった3人目のキャラです。
描いてみるとどこかナルシー・ヒデより品性のない顔になりました。

茸土ですがモチーフはマシュラームです。
戦闘時の掛け声とキノコによるパワーアップはマ○オネタです。
そして彼の瞳は「目がしいたけ」というネットミームに因んでいます。

拳志ですがモチーフはガンガルンです。
苗字の由来はバグ大の敵首領「香坂慎太郎」(こうさかしんたろう)、名前は同じくバグ大の敵首領「城ケ崎賢志」(じょうがさきけんし)に由来しており漢字を変えています。
どちらも美形キャラかつ組織の頂点であり、ある意味拳志と真逆のキャラです。

元ネタで言うと茸土は歩きスマホ少女、拳志は眼鏡を落とした中年男性に相当します。
両者の強さは「格闘技を真面目にやっていた半グレ」(第2話)並みで通常状態の翔にも及びません。
翔はブチ切れるとギアが上がり通常時では適わない理香を倒せるようになります。
しかしその状態でも猪狩には勝てません。
猪狩は獅子雄よりも弱いです。
その獅子雄は火纏並びに熊害に敗北を喫しました。
竜太はこの内熊害に勝利した事があります。

サンライズビール及びハイパードライホールは悩んだ挙句こちらの世界のとは違う名前にしましたが
前者は奇しくも勇者シリーズネタとなってしまいました。

ドクトパスですがモチーフはヒョウモンダコです。
シェルコーン及び後述のショック・トゥ・ドックと共に毒のある海の生き物モチーフに統一しました。
無理矢理残飯を食べさせるのは流星ネタです。

ショック・トゥ・ドックですがモチーフはフグと飛行船で名前の由来は食中毒で酸を吐く攻撃はネットミーム「水を吐くフグ」に由来しています。
絵の背景では例のモニュメントが映りこんでいますがこれは意図しての事です。
大きさはビーブレイダー並みですので絵ではハイパードライホールからかなり離れている事になりますが
作中ではハイパードライホールの前に立ちふさがりロックマン達の足止め役を担いました。
余談ですが例のモニュメントはロックマンツルギ本編のレオゴルド回の挿絵にも映り込んでいます。

シェルコーンですがナヴァラークの時と同じく変形後の姿も描きました。
それぞれの絵で構図を変えてますので1つのイラストでは隠れてしまう部位も別の絵では描くことができました。

デルタですが感想を書かれた方々の予想通りオミクロンに乗りましたがオミクロンの特殊な形態にはこれ以外にも秘密があります。
またデルタセイバーを構えたデルタ単体(メガアーマー装備時)の挿絵は終盤に描く予定です。
ついにツルギ異聞も全16話中8話となり、折り返し地点となりました。
今年はもう少しでコンプできるアドコレや3月27日発売のパフェコレの影響で更新が遅れるかもしれませんがベストを尽くします。
次回はマンモックス回です。

4

【ミニ・レプリ起動】
目を覚ませばそこは“敵地”の中、そしてコワモテの連中に取り囲まれている…という状況は、ジュラファイグたちの視点になってみれば確かに身構えもするというものですね。

【人間の街を案内】
サンライズビールはおそらく、こちらの世界でいうアサヒビールでしょうか。ウンコビルと呼ばれているハイパードライホールも、黄金のオブジェが有名な浅草のスーパードライホールからかと思います。(あのオブジェ、本当は炎を模しているそうですね)

過去の回で登場した陽咲紫安も“あの後ホントに刺された”なんて事もなく、元気なようで何よりです。

【太山】
これはデカオ+ガッツマンだろうと一目で思いました。
「おかわりもいいぞ!」の時点で嫌な予感がしましたが、これはなかなかの地獄絵図…
御間もこうなると流石にかわいそうになってきます。

【アンパンの移動販売車】
【安藤】
先ほどの下剤カレーがあったので、こちらも何かヤバいものが入っているのか…?と読んでてちょっと疑いましたが、こちらは何の仕掛けもない普通のアンパンでしたね。

アンドリューが元ネタの一つということで、安藤もいずれ運命の女性と出会うと思われます。
こちらではたぶん、年を経るにつれてその女性から避けられる…ということは起きなさそうです。

【樺口】
アンパン自体におかしなところが無くてひと安心、かと思えば今度はシマキンのような男がトラブルを起こすという展開。
安藤の拳打によって撃退され、その場にいた子供などは事なきを得た
ものの、樺口がまた別の場所でやらかすのは目に見えています。
誰かにシメてもらわなければ安心が出来ない…かと思いきや…

【成瀬秀美】
この“写真だけ撮って手を付けない”はいっとき問題になりましたね。
私は幸いというべきかそういうのに出くわしたことはありませんが…
それはそうと本文開始前の赤文字の注意書きから、
「お客様、料理を全く口にされていないようですが…?」
のセリフに、獅子雄と同種の展開が起きるのか!?とちょっと思ってしまいました。

【菌壌茸土VS考坂拳志】
茸土は、菌と茸の二文字からマシュラームか?と思いましたが当たりでした。
あとがきにも有るように「マンマミーア!」とか赤と白のキノコとか何か違うネタも混じっていますね。

この紅白キノコは玲にも言われてたように明らかにヤバい代物だと思うのですが、子供の体でそんなものを使って大丈夫なのでしょうか…?

ドーピング(?)をしても膨れ上がった肉体を使いこなせず拳志に太刀打ちできていなかったり、挙句に組の過去や力関係を持ち出して勝ちに行こうとしたりとなかなか情けない振る舞いですが、玲に怒られて反省出来るあたりはまだ良い子とも言えますね。

マシュラームといえば、X4ゼロ編のマシュラーム戦はなかなか楽しかった覚えがあります。雷神撃をタイミングよく当ててマシュラームを痺れさせる、これには笑いを誘われました。
茸土と玲のやりとりも、「ゼロ(の娘)からカミナリを落とされる」と考えたらX4の再現とも言えますね。

組のわだかまりから離れて、改めて殴り合った末に仲直りできた茸土と拳志ですが…

【占拠されたビルの内部、残飯レストラン】
なかなかの凄惨な光景が広がっていますが、茸土や成瀬に対しての仕打ちは比較的優しいような気もします。(樺口のも結果的には優しい対応となってしまっていますが)

反社の者もターゲットにしているのはシェルコーンを騙すためで、本命は大人しそうで無害そうな者の方だろうと思えてしまいますね。

【ショック・トゥ・ドック】
この見た目で(恐らくは大塚明夫さん似の)鳴き声を響かせてこられるとだいぶ不気味そうだと思えます。
酸のタンクを抱えているせいで一気に吹き飛ばせないのと毒ガス入り爆弾が厄介ですが、そこは翔が冷静に立ち回って処理していますね。

ロックバヨネットで捌いて、動けなくなったところを〆…と、まさに“料理される魚”の倒され方でした。

【ハイパードライホール内の戦い】
ドクトパスに操られて襲い来る人々と、ロックマンの戦い。
体内に何か仕込まれたのではなく物理的に手足を動かされているだけなので、突き落として爆殺したりする必要が無いのは幸いでしたね。

ドクトパスの無力化では高機動型スーツのスピードとナイフガンの小ぶりさが役に立っています。

転送を活用して迅速に病院へ搬送されたため、被害者の人々も大事には至らなかったことでしょう。

【ブスティング・シェルコーン】
配信視聴者から「極悪糞ロボット」呼ばわりされる彼ですが、展開的にこの汚名に対してはショック・トゥ・ドックと同種のニュアンスも感じてしまいます。
というかロックマンとの戦いでもそれっぽいセリフを口走っていますね。

【ハイパードライホール屋上の戦い】

オミクロンの挿絵を見た際には、馬かバイクのように騎乗することができそうだと思ったのですが、案の定でした。
オミクロンを駆って襲い来るデルタ、ちょっと形式は違いますがライドアーマーを自在に操るVAVAのようでもあります。

翔はオミクロンとの交戦経験があるために、ある程度手の内を知り対処法も知っている…のですがデルタが加わっているため、単純に同じやり方では倒せません。
ゲーム的に考えると、パワーアップしたオミクロンとの再戦とも言えますね。

最終的には剣と翔が、上手くタイミングを合わせた攻撃を繰り出してデルタを撤退に追い込みましたが…

戦いの中、デルタは人々の歓声に何を思ったのか…

【戦いの後】
やらかした連中が然るべき処分や社会的制裁を受ける中、ひとり楽しそうな樺口の姿が際立ちます。
自身の蛮行とシェルコーンの拷問(拷問になってない)によって新たな生き方に目覚めてしまった彼ですが、もしかするとこれはこれで未来にまで残る伝説になってしまう… かも、しれません。

5
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2026/02/13 (金) 14:03:03

感想ありがとうございます!

>ミニ・レプリ起動
原作同様小さくなったばかりか周囲に強面の面々がいるのでジュラファイグ達の警戒及び絶望は輪をかけたものです。

>人間の街を案内
仰る通りサンライズビールとハイパードライホールはこちらの世界で言うアサヒビールとスーパードライホールです。
悩んだ結果敢えて名前を変えております。
例のモニュメントですが炎をイメージしたもので、当初は3本で縦向きの予定だったみたいです。
この予定通りならちゃんと炎に見えなくもなかったのですが…
陽咲紫安ですが第2話ラストでストーカーに遭遇しましたが返り討ちにしております。

>太山
「おかわりもいいぞ!」は元ネタの作品の中では有名なトラウマシーンですね。
御間ですが逆に言えば虐げられる者の気持ちが分かるようになった…とも言えますね。

>アンパンの移動販売車・安藤
安藤本人はかつては裏社会の住人でしたがこのパン屋はまっとうな商売です。
人間離れした強さながら飽くまで人間ですのでモチーフのアンドリューのような問題とは無縁でしょう。
唯一可能性があるとすれば溺愛しているメスのペット…ですね。(何)

>樺口
本文にもあるように彼の裏モチーフの1つはシマキンです。
因みに人を食うという話はデマです。
彼はこれまで食べ物に関して色々とやらかしており安藤にシメられても懲りなかったのですが
今回の事件で普通の食べ物への興味がなくなる事になります。

>成瀬秀美
注文した料理を写真だけ撮って帰るというのは僕も話に聞いただけです。
このレストランも安藤のパン屋と同じくまっとうな商売ですので例のネタに基づく行為はしませんでしたが
結果としてシェルコーン達からそういった行為を受ける事となりました。

>菌壌茸土VS考坂拳志
茸土の裏モチーフはキノコ繋がりでスマブラでロックマンともコラボしたことのあるあのキャラです。
本文では書かれてませんがドーピングキノコを使うと当然反動も来て一時的に疲労感と倦怠感、筋肉痛に見舞われます。
玲に怒られて反省できるのは汰威超組に引き取られて躾けられた事も影響しています。
玲に叱られる茸土がゼロの雷神撃を喰らうマシュラームの再現という発想は面白いですね。

>占拠されたビルの内部、残飯レストラン
シェルコーンによる食に関してやらかした人々への仕打ちですがその人の罪に対応しており太山と樺口の場合は明確な実害があるのに対し
成瀬は金銭的被害のみ、茸土の場合はドーピングキノコ服用ですがこれに対して毒料理を食べさせるのは
デルタの目的からして本末転倒となるためか「体に悪い事をした」ことへの罰となっております。
シェルコーンが標的にした食に関してやらかす人々は反社でもそうでない者でも存在しますが
デルタは自分達が悪である事をアピールする為にシェルコーンが見た目からして大人しそうな者に制裁を下す映像を配信した、という事です。

>ショック・トゥ・ドック
これのイメージCVは当然というか大塚明夫さんです。
フグ料理と同じくタンクを避けて攻撃するのは慎重さが要求され容易ではないため達成した時
翔は思わず例の台詞を口にしてしまいました。

>ハイパードライホール内の戦い
これがもしデルタが非情さ(と回りくどさ)に振り切っていたら捕らえた人々の体内に自爆するタイプのメカニロイドを仕込み、
ロックマン達はデルタ達を倒すのにその爆発を逆に利用していた…という展開になっていたっでしょう。
実はレオゴルド回でこれのネタをやる案もあったのですが流石にやめました。
ドクトパス戦は武器の形状やロックスーツの性能からして正に玲の見せ場です。
被害者が無事に助かったのは汰威超組お抱えの病院が大きくて24時間やっている、というのも大きいです。

>ブスティング・シェルコーン
彼への悪口、そして台詞の1つの元ネタは紛れもなくショック・トゥ・ドックと同じです。

>ハイパードライホール屋上の戦い
オミクロンの形状はあからさまに騎乗を前提としていますのでまずこの伏線は回収されました。
オミクロンを駆るデルタはライドアーマーに乗るVAVAもそうですがアステファルコンに乗るハルピュイアがより近いイメージですね。
(尤もボス戦でハルピュイアがアステファルコンに騎乗した状態で戦う事はありませんでしたが)
一度戦った敵がパワーアップした状態で登場し再戦という流れはロックマンあるあるでもありますし王道展開でもありますね。
決着は前回同様合体技となりました。
ロックマンの歓声を耳にしたデルタは望みどおりの流れをある意味では嬉しく思っております。
嫌われて喜ぶというとMが連想されがちですがそれとはまた違うタイプですね。

>戦いの後
樺口が蛆虫入りチーズを喜んで食べたのは実際にイタリアにある寄食の蛆虫入りチーズ「カースマルツゥ」に因んでいます。
樺口の裏モチーフの1つはバグ大の登場人物「鬼頭丈二」でありこのキャラは世界中の寄食を求めて各地を旅しています。
彼はその過程で現地の反社、猛獣、天候、地形、病気等々によって行く先々で何かと酷い目に遭っており
樺口もそれに倣って行く先々で酷い目に遭い続ける事になります。
その一方それでも懲りずに寄食を追い求め続ける事も共通していますが。

6
うお~ 2026/02/14 (土) 20:09:03

執筆お疲れ様です。
今回のオリキャラもパロディ要素が多くありましたね。
どれも個性的でインパクトがあり、樺口の身長・体重がそれぞれ実在していたことに驚きました。
そしてコマミのヒポポプレッサーが元ネタなのは気づきませんでした。

ミニレプリ化したデルタナンバーズから見る人間社会はサイズが小さくなったこともあって、
より詳細なところまで見て取れたように思います。

残飯レストランで展開される光景は本当に地獄そのものですね。
五感を全て刺激される面である意味、レプリとの対決より難易度が高いと思われます(何)

ショック・トゥ・ドックは翔の透視が活躍しましたね。
風船のように飛び回って爆破というのも特徴がよく出ていると思います。

ついにデルタと博士が再会しましたが、説得するのはなかなか難しいようです。
デルタはシェルコーンに対しても非情で物扱いになっていましたが、
デルタの挙動から内心を察している剣たちは洞察力があり、今後どのように説得していくのかが
気になるところです。

樺口は最後は寄食を求めて旅に出ましたが、その後の経緯はレプリとの戦いよりハードですね。

ウンコネタはロックマン公式ではボ〇ボンの頃はあまり見られませんでしたが、
コ〇コロのウォーロックや、ファミ通DSのエグゼくん、では度々見られ、
ゲームではエグゼ3のEDで動物園のゾウが落としていて結構生々しい演出でした。

それでは~。

7
流星のD-REX=ZZX(管理人) 2026/02/21 (土) 00:19:22

感想ありがとうございます!
今回のオリキャラもモチーフだけでなく裏モチーフが存在するキャラが多いです。
樺口の身長体重はどちらもにわかには信じがたい数値ですが実際の歴史に存在したそうです。
ただこの身長、体重の人物達はどちらも満足に身体を動かせなかったみたいですが樺口は筋肉量と骨の頑強さ故に人並み以上に動けます。
ヒポポプレッサーの要素は彼の率いるチーム名「垃具乱需」に含まれておりこのチーム名はコマミの最初のステージ「ラグラノ廃墟」に因んでいます。

ミニ・レプリ達は小さくなった事により人間社会の細かな部分まで観察できるようになったのは原作準拠ですね。

残飯レストランですがこれには元ネタがありそれはより汚くておぞましく、知らない方が幸せとも言えるでしょう。

ショック・トゥ・ドックはボディの中に酸のタンクがあって危険なのですがここで翔の透視が活躍しました。
ロックバヨネットの剣で突かれた結果破裂して飛び回って落下したのは風船みたいなボディ故です。

デルタは本気で世界と人類の為を想って行動しており、「破滅の未来」への絶望も本当に深いので言葉での説得はかなり困難です。
しかしその挙動に何かに追い詰められている感や悪事を行うのも心から望んでない感じが出ており、
これが剣達にけどられたという訳です。

樺口の最後ですがこれには元ネタがあり、それは本当にハードモードです。
彼は元ネタと同じく海外での様々な事件や事故に巻き込まれていくのですが常人なら余裕で死ねる事態でも毎回生き残る事も共通しています。

ロックマンのウンコネタですが僕が思いつく限りではこの他にはスカラビッチとロックマン20周年イベントの時
スタッフの誰かが「VAVAにはウンコという意味もある」と仰ったことぐらいですかね。