カオスドラマX

Gray Traveller / 437

673 コメント
views
437
わったん 2025/12/21 (日) 21:23:17 >> 434

青く長い髪。
決して崩すことのない自信気な笑みと、その傲慢さを象徴とする歯。
中央チーフである証の腕章に、覚悟の決まった出で立ち。
オーウェンの姿が、其処に在った。

「俺の事を嗅ぎまわっている特色ってのはお前のことだろ」
「ったく、随分と男前じゃねーの」
「俺にそっちの気はねぇんだけどな」
「だが、俺は男女関係なく引き寄せちまう男……」
「ったく、俺という存在そのものがALEPH並に危険――」
「いや、魅力的って話か?ったく」

「ガンパウダー工房フィクサー、ユンフです」
「ここのどの幻想体を相手にするよりも、貴方を探す方が手間だったよ」

「だぁーっははは!」
「おまけにユーモアもあんのかよ!お前最っ高だな!!」

片目を塞ぐように手をあて、収容室全体に響き渡る轟音を口から発する。
小さく呼吸を整える音を交えながら、オーウェンは細めた瞳でユンフを見る。

「一方的に俺を知ってんのはなんでだ?」
「俺は確かに最高にカッコいいし、べらぼうに優しいし、信じられん程に美しい」
「都市に名が売れてても不思議じゃねぇな。頭も俺の事をきっと都市の星座にしようと躍起になってたはずだ」
「それどころか外郭にオーウェンタウンを作ったって可笑しくねぇ」

「L社の物語における不純物である俺が此処に誘われた要因であり」
「そして、貴方の祖父の、聞いても居ない願望を、俺が目に焼き付けに来たからだ」

懐から遺品を取り出す。
その二つの指輪。刻まれた名と、その銀に輝く生前を物語る傷。
オーウェンはそれを目にした途端、吊り上がったような口角を僅かに緩めた。

「……リバーには会ってねぇんだな……」

「案内してくれますか?」

「無理だよ。わかってんだろ」
「俺も訳わかんねぇんだよな~……俺が幾度も経験してきた道程」
「このL社という中での檻」

「時の――時空の牢獄」

彼の発言に、オーウェンは「わかってんじゃん」と感心しつつ息を吐く程度に笑った。

通報 ...