「ハムスターみてぇに永遠にぐるぐる回ってんだよ俺」
「だが時に、俺というハムスターは腹が減ったから餌を食いに行くんだ」
「気に入った餌がある。それは走り終えた後にとっておきたい大切な餌」
「だから大事にしまっておこう」
「大切な餌を守った時、俺の目の前は再び回る滑車の中で走り回る視点に移る」
「また腹は減る」
「大事な餌だ。またしまう」
「また滑車に戻される」
「一生進めない」
「気が狂って、大事な餌を食う事にしたんだ」
「そしたらどうだ?俺は自分の脚で、再び滑車に戻る」
「戻れちまったんだよ。俺がつまんねぇ意思を捨てた途端にな」
「……」
「大事な餌はもう戻ってこない。そう思ってたらどうだ?」
「普段通りの顔して戻ってきやがる。俺がどれほどの苦悩を以てしてその選択をしたとしても」
「その日は繰り返され、取りつかれたように俺はただ滑車を廻す」
「今もそうさ。俺の大事な仲間が居るこのループ」
「きっとこれが最後だって思ったら、透明の試練とかいう訳わかんねぇ、今まで経験したことのない……」
「明らかにイレギュラーな世界が舞い込んできやがった」
「……この滑車は、『シナリオ外』のもの……」
「そうだ。俺の奔る今は、ぜってーにあのクソAIがまた丁寧に戻すんだろうな」
「……久々に会えたループだった」
「いやぁ~、あいつら――」
「……」
「でも、代わりに、俺を支えてくれる別の仲間が今は居ねぇ」
「どっちも取りたいのに、どっちも頬張りたいのに」
「俺はどうしようも出来ねぇ」
「オーウェンさん、俺には――」
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