カオスドラマX

Gray Traveller / 515

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わったん 2026/02/22 (日) 19:55:56 >> 512

「……」
「ミルド=デリスさんは、どんな人だったんだい?」

「腕自慢が大好きで、力仕事は全部解決してくれる」
「でも、すっごく元気で、皆に力を与えてくれる、そんな人だったよ!」

「カトゥリゲス鉱山から拾ってきた炭鉱とか」
「そういう素材を見ると小さい身体が飛び跳ねるぐらいには武器鍛錬も好きだったね」

「真空突き!」
「せんぷう斬り!」

「小さいけど、大きな人だったな~!キャラバンの皆からも、頼られている兄ちゃんだった!」

子供達が意気揚々とリルティの人物像を語る。
ユンフは語り部達の尊敬に満ちた表情を見つめ、其処にある思い出がまるで本当に在ったかのような感覚に陥っていた。
彼らの表情に嘘偽りは無く、言葉は何処までも真っすぐであった。
虚飾に塗れた固有結界とばかり認識していたこの空間は、
宿主が確実に『思い出』を持っていたことの裏返しであった。

「……そっか」
「じゃあ、ミルド=デリスさんを目指して、頑張っていかなきゃね」

「うん!」

「お兄さんも、クラヴァットだよね」
「でも、めっちゃ強そう!ねー、俺達に稽古してよ、稽古!」

ぐいぐいと裾を引っ張る少年達。
ユンフは、この光景が何処か遠くで起きたかもしれない現状である事に胸を痛めながら、
小さく笑って立ち上がった。

「村長さん達とお話したら、一緒に稽古してあげるよ」
「だから、怪我しないように振るうんだぞ」

「やった!!!」
「待ってるよ!」

元気よく麦畑に走っていく少年達。
その後ろ姿を眺め、何処か憧れた情景を思い浮かべつつ、
彼は街路を歩む。

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