―ヴェオ・ル水門―
5年目の旅路。
俺達キャラバンの絆は深く、言ってしまえば鉄よりも固い結束があった。
その結束を前にして立ちはだかったのは、ヴェオ・ル水門の数多くの扉。
ユークの民の知識の結晶により築き上げられた、約束された平和の象徴である水門。
魔物が棲む水門の奥には、ミルラの木がひっそりと立っている事をシェラの里で聞いた。
だからこそ、数ある門を潜り抜けて、奥底へと向かっていったわけだが……。
「鍵がない!何処!?」
セルキーの声が甲高く、明らかにイラついているのがわかる声量で水門の中を木霊する。
ラケットの矛先は付近に居たギガントードに向けられ、魔物とは云えど可哀想だなと思った。
「トルブジータ、アンタんところで作った水門でしょ?何処に鍵があるのかぐらいわかるでしょ!」
「河の流れはシェラ湖の生命の活力を流水させ往く夜空の断片」
「我々今を生き往く星の欠片が、水門の繋がる道筋を示す対価に理を奏でることは」
「現時点を以てしても考え得ぬこと」
「分かんないって5文字で言ってくれる?????」
「レビ、さっきギガントードが落としたブリザドの魔石だ」
「シェラの里に行くまで、武器の耐久度を落とす訳には行かねぇだろ」
「任せな。おいトルブジータ、今日は俺が後衛だ。たまには前出て運動しとけよ」
「難儀」
「アタシの時あんだけクソ長い講釈垂れたクセに随分と短いわね?????」
通報 ...