カオスドラマX

Gray Traveller / 537

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わったん 2026/03/15 (日) 18:26:34 >> 535

水門に塞き止められた水のせせらぎを耳にしながら、俺達キャラバンは踏み慣れない大地の地面を踏みしめる。
冒険を感じるその空間を跨ぐ時……その最中は、基本的にこんな感じだ。
戦闘の話、景色の話、手紙の話、その後の話。
抱えきれない程の思い出を紡ぎながら、俺達は歩を進めていた。

ガコンッ

水門の岬のような段差から下層を眺めようとした時、俺の足元から何かが凹むような音が響く。
足元には木製のスイッチがあり、どうやらそれを踏んづけてしまっていたようだった。
背面の水面付近に、小さな間欠泉が沸き出てくる。
其処には幾度も見てきたこの世界の鍵が在り、水門のギミックを理解出来た頃だった。

「やった!鍵を見付けたよ。流石だねレビ!」

間欠泉に押されて揺れる鍵を、濡れながらも抱え込んできたテト。
重い荷物を背負いながらも、テトは疲れ一つ見せずに笑って、奇抜な見た目の鍵を頭の上に掲げ続けた。

「ありがとう、テト」
「水門での戦いは俺も後衛に回る。傍に居てくれ」

「うん♪」

眩しい笑み。どこをどう切り取っても、その笑顔は俺のものだった。

高所から水門の流れを見極める。
ミルラの木に辿り着く為には、数回門を開けなければならない。
その門番として立ちはだかる魔物の配置を確認しつつ、俺達は歩き方を考えていた。

「リザードマンとギガントード、プリンか。あと見えるのはアイスボムだな」
「リザードマンはブリザドの耐性が無い。レビの仕事だ」

「氷の核が膨らむ頃に、某の灼熱を唱えよう」

「そしたらアタシとミルド=デリスで蛙狩りとプリン潰しだね。まっかせて!」

「さっきの様子見るに、俺様は要らねぇ気がすんだけどな……」

戦闘の段取りを予め擦り合わせておく。
俺達キャラバンは、どのキャラバンよりも連携に長けていると自負していた。
ある時、リバーベル街道で探索中だったキャラバンが崩壊しかけていた。
その手助けに入るとき、俺達は言葉を交わさずとも各々が誰を倒し、誰を助けるかを瞬時に把握していた。
キャラバンを助けた時に感じたのは、その人たちを助けた事の安堵ではなかった。
この世界を共に旅する者達が、俺と共鳴してくれている喜びであった。

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