マジックパイル。
属性が合わさった合体魔法により、グリフォンを中心とした空間の重力が加圧される。
ズドオオオンッ!
先まで獲物を捕らえようとしていた狩人の体勢は、見る間もなく地へと落ちる。
土埃に塗れた巨体が、再び爪を振るわんと力を込めていた。
「行くぞ!」
合図を皮切りに、4つの影が鮮やかに動く。
戦闘の最中に溜めていた右手の力を一点に集中する。
魔物を中心とした、会心の一撃の場所。
そこは俺には円形に標があるように見え、仲間達とのタイミングが示された絶好の瞬間。
同時に見える、仲間たちの背中。
後ろから見守ってくれる、テトの存在。
必殺技を炸裂させる。
ズドオオオッ!
持ち上げられた巨体は、再び地面へと沈む。
各々武器を持ち、身体を離して笑みを放った。
「ナイス~!最高のタイミングの魔法だったわ!足元掬ってくれてんのも流石!」
「其方の蝶が如く舞、ミルド=デリス史の豪然たる立ち回りが故」
「後方からの支援、んでもって囮役が居てくれるからこそ力一杯武器を触れるってもんなんだよ」
……。
楽しかった。
俺達は、ミルラのしずくを集めるクリスタルキャラバン。
だが、それ以前に、俺は一人の人間として、この旅路を歩んでいた。
使命や義務なんかじゃない。
そしてそんな俺の旅路を大きく彩る仲間達との歩みが、俺の人生に華を添えていて、
俺は幸せだった。
「レビ!」
鍵を精一杯抱えたテトが駆け寄る。
クリスタルゲージを最適な位置に設置する神経の他に、俺達を見守るしかないであろうその眼差し。
それでも、俺達を信じて待ってくれている彼女の声は、俺にとって幸せそのものだった。
「テト、ありがとう」
「お二人さん、まだミルラのしずくは集められちゃいねぇ」
「話しによりゃ、ゴーレムが奥底で護ってるらしいじゃねぇか」
「んじゃあ今度は俺も前出る」
「ミルド=デリス、ラ・セナ。さっきは譲ったが、今度は俺が主役だぜ」
「ざ~んねん。ティダのクリスタルキャラバンの主役の座は、アタシが既に盗んじゃってますんで~!」
「お前は主役って柄じゃねぇだろ」
「なんだよ、うっふ~んって。やばいだろ」
「水門の水って綺麗ね。野菜の水洗いには適切じゃないかしら」
「うるせぇな~!」
「こんだけ魔物が居るんだから、濾過しねぇと危険じゃねぇの?」
「シェラ湖の水質は緻密な計算により、ポンプフラワーが賄れり」
「良き炊出しが望めよう」
「トルブジータさん!?」