カオスドラマX

Gray Traveller / 558

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わったん 2026/04/05 (日) 22:02:36 >> 556

―クリスタルワールド―

青と黒、そして光で構成された幻想的空間。
ステンドグラスのような装飾の灯りが散りゆく最中、
其処には巨大な奇怪が宙を浮いていた。

「メテオパラサイトに手を出すな、ティダのクリスタルキャラバン共」

「――魔物が言葉を……!?」

「魔物とは、我が生成した歪みの存在」
「『哀しみの思い出』を作る、ただの連鎖に過ぎん」

「何者だテメェ!」

「我が名はラモエ」
「メテオパラサイトにより大クリスタルが破壊された時、その歪みから瘴気によって生まれし思い出の管理人」
「キサマらがクリスタルキャラバンとして生きるのは、我が食事を養うためである」
「瘴気に満ちた世界では、思い出の循環が上手く行かない」
「それ故に、魔物を作り、キサマらから哀しき思い出を作り出す」

咄嗟に感じたのは、
コイツが邪悪であること。

「大クリスタルの破壊とあれば、2000年にも及ぶ太古の歴史」
「隕石が降り注ぎし悪魔の思い出」

「人は殊勝な生き物よな」
「そうして歴史を刻み、争い、今を過去へと変貌させる」
「このラモエにとって、その健気な生き様は非常に美味であったぞ」

「アンタ、もしかしてその為にさっきの魔物を護っているっていうの……?」
「アンタの食事の為に、どれだけの人が苦しんでいると思ってんのよ!!」

「セルキーとは何処までも哀しき種族よ」
「コナル・クルハ湿原に刻みし最果てへ赴く旅路」
「その結末は、このラモエにとってはまたとない美味であった」

「アンタ……ッッ!」

「リルティにおける家族愛もまた、我が心を癒す物語」
「零れ落ちぬように支えた心中は、今も尚キサマのトラウマを刺激する」
「マール峠の悲劇は、中々痛快であったな」

「――」チャキッ

「ユークとは幾何学にしか生きぬものよな」
「針葉樹の大森林。その最中に浮かぶ夜空に恋焦がれ武器を持つ」
「シェラの里に囚われしキサマの孤独は、誰にも理解されぬ思い出であったな」

「故に夜空の端に連なんとせし」
「して、その輝きを共にする仲間と出会えたり」
「我が心を揺さぶらんとせしその言の葉は、決して某を陥れる事はなけり」

「共に道を歩むからといって、それは『理解』には成りえん」
「所詮キサマの独りよがりであり、キサマ一人の旅となる」

「――憤激」

「耳を貸すな」
「トルブジータ、お前の夜空への渇望は、俺達ティダのクリスタルキャラバンだけじゃない」
「ティダの村の皆が理解している」
「根本的な理解じゃないかもしれないが、お前の夢だ」
「お前一人の夢なんかじゃない」

「レビ氏……」

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