意識が混濁する。
全身に隙間なく入り込んだ水を感じる。
意識に差し込むような、太陽の光。
朦朧とした半覚醒の最中、俺の意識だけが先に起きる。
次に来るのは苦しみ。
体中の水分が暴発しはじめ、俺は唐突に来た吐き気に無理やり身体を起した。
そうして目を開け、咳き込みながらも風景を視線に入れる。
「――」
知らない家の、知らない部屋。
知らないベッド。
即座に外が映る窓へ眼を向ける。
地形の彩りをすぐに記憶の中から辿り、照合する。
「――ティパの村――」
直前の記憶さえあやふやの最中、俺は静かに記憶を整理する。
「水門でのしずく集め……その後グリフォンに……」
「――」
辿った記憶で、まず最初に襲ってきたのは、俺自身の時間。
「時間は――」
「一体俺はいつから――」
ガチャリ。
部屋の扉から姿を現した老人が、身体を起した俺を見て笑みを浮かべていた。
「おはよう、意識が戻ったか」
「――」
「浜辺で打ち上げられていたお前を見かけたんだ」
「あそこはこれからクリスタルキャラバンになるって奴の為に開放している訓練所みたいなもんでね」
「驚いたよ。其処に人が寝っ転がってるなんざ」
「――」
「酷い怪我だったんだぞ」
「応急処置だが、命に別状はない」
「大型の魔物と戦ったんだろう?その傷は――」
「俺を介抱して、どれぐらい経ったんだ……?」
「……」
「クリスタルキャラバンなんだろ」
「満タンのケージを抱えていた」
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