
実体はないが、確かに奴がいた。
笑っていた。
嘲笑うかのように。
それと同時に過る記憶。
ラモエによって最期を遂げた、仲間達の残滓。
俺は、矛盾していた。
帰郷の為に、彼らを利用するべきだ。
でも、護らねばならない。
俺が紡いだ希望を、此処で潰す訳にはいかないんだ。
どうすればいい。
お前は、俺にどうして欲しいというのだ。
ラモエ。
「――」
……。
護る。
その上で、俺は帰郷する。
「――」
俺は
「――おにいさん……?」
お前の言いなりにならない。
「――どうか、希望を紡いでくれ」
「――いままでありがとう――」
中央に位置する馬車の天井に飛び移る。
そうしてティダの方角を見据えた。
「おい、レビ!なにして――」
応える間もなく、俺は大きく飛び上がった。
魔物の群れを超え、平地に着地する。
「――」
瘴気が身を焦がす。
「おい!!レビ!!!!」
魔物の視線が、全て俺に向く。
やはり、ラモエがすぐに作った魔物だったか。
俺に敵視が向くように設計されていた。
「来――いよ」
「俺は、此処にいる」
キャラバンの包囲が解かれるのを確認した。
群れは一心の乱れも無く、俺へと向かってくる。
激痛の中、俺はただ、群れに追いつかれまいとティダの村へと走った。
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