カオスドラマX

Gray Traveller / 609

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わったん 2026/04/26 (日) 21:36:04 修正 >> 608

画像1

実体はないが、確かに奴がいた。
笑っていた。
嘲笑うかのように。
それと同時に過る記憶。
ラモエによって最期を遂げた、仲間達の残滓。
俺は、矛盾していた。
帰郷の為に、彼らを利用するべきだ。
でも、護らねばならない。
俺が紡いだ希望を、此処で潰す訳にはいかないんだ。
どうすればいい。
お前は、俺にどうして欲しいというのだ。
ラモエ。

「――」

……。
護る。
その上で、俺は帰郷する。

「――」

俺は

「――おにいさん……?」

お前の言いなりにならない。

「――どうか、希望を紡いでくれ」
「――いままでありがとう――」

中央に位置する馬車の天井に飛び移る。
そうしてティダの方角を見据えた。

「おい、レビ!なにして――」

応える間もなく、俺は大きく飛び上がった。
魔物の群れを超え、平地に着地する。

「――」

瘴気が身を焦がす。

「おい!!レビ!!!!」

魔物の視線が、全て俺に向く。
やはり、ラモエがすぐに作った魔物だったか。
俺に敵視が向くように設計されていた。

「来――いよ」
「俺は、此処にいる」

キャラバンの包囲が解かれるのを確認した。
群れは一心の乱れも無く、俺へと向かってくる。
激痛の中、俺はただ、群れに追いつかれまいとティダの村へと走った。

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