<帰りたい?>
<それが、貴方の望む事?>
<貴方の心はとっても痛そう。貴方が成せなかった帰郷が、貴方の魂を縛っているのね>
<もう遅かったわ>
<『旅人の思い出』から放出された記憶を、映像として認識出来る>
<その故郷はもう既に、瘴気に覆われた無残な廃墟>
<その前の存命していた故郷はどうかしら>
<そう。貴方を待っていたわ>
<皆、祈るように、キャラバンの帰りを。貴方達を待っていた>
<誰一人、逃げる事無く、最後まで信じていたの>
<滅びるその時まで、希望を捨てずに>
<駄目よ、レビ。貴方のせいじゃない>
<思い出してみて。この世界の原因は何なのか>
<メテオパラサイトという巨大な存在が、思い出の管理人の存在を歪にした>
<その歪が生み出した魔物の数々が、貴方達を苦しめているの>
<そんな根源から腐った世界に、貴方一個人が成せることなんてあるのかしら>
<そうね。決して諦める事のなかった貴方が諦めてしまったこと>
<世界を救って、平穏の中で黄金畑の揺れ動きを眺めること>
<でもそれって、貴方の生きてきた世界の中では、ほんの些細なことじゃないかしら>
<そっか、貴方にとっては、その些細な願いが希望だったのね>
<その希望を叶える為の、隣を歩く人達は居なくなってしまったけど>
<貴方はそれでも前を向き続けようとしたのね>
<尊い事だと思うけど、それって貴方がすべきことかしら>
<レビ。ここは全てを曝け出すところ>
<もう貴方はその世界に居ないの>
<思い出の存在として、ラモエに取り込まれてしまった貴方>
<そのラモエが今、私達の病巣に潜んでいるわ>
<ここは都市>
<貴方が居るべき世界じゃない>
<例え貴方に実体が無くとも>
<すべきことがあるでしょ>
<言ってごらん>
<世界は正しく見えて、貴方は正しくない>
<そんな悲しい事、認められないよね>
<だから自分の心に耳を傾けていいのよ>
<貴方がこの都市でしたいことを>
<矛盾に満ちていたとしても、それが貴方の望む姿>
<光になって、溶けていって、貴方だけの色を咲かせるの>
<自分の望んだ姿形になれるように>
<自分の故郷に帰れるように>