「――ッ」
――。
里帰り。
レビさん。
俺は、貴方と同じだった。
そして、逆でもあった。
冒険の始まりは、決して美しいものではなかった。
だけど、美しく彩りを保った人がいた。
認識した重責は、簡単にも絶望の園へと誘った。
だけど、希望を捨てず、勇気を教えてくれる人がいた。
自分自身を司る感情は、在ってはならないものだと思った。
だけど、手を引っ張り、生きる事を誇示してくれる人がいた。
貴方は、俺にとっての大切な人を喪ってしまった人だ。
だから、今の俺が居る。アトリちゃんが居る。
皮肉な話だよな。

ティダの村の存続と、ティパの村の存続は決して共鳴する事は無い運命だった。
決して並列を成さない世界。
だが、俺達は繋がっている。
横に繋がる事は無くとも、貴方から伸びた線は、俺達を紡いでくれている。
レビさん、貴方は既に、俺の過去を垣間見ているだろう。
感情を抑圧した日々から、彩りを経て、
再び憂鬱に沈んでしまった日を。
でも、それはラモエから切り取った俺の一部に過ぎない。
彼女が眠ってしまったその日から、俺は貴方と同様、生きる希望を失った。
だが、それでも、
蒔いた種が。
紡いだ思い出が。
指し示す方向標が。
俺という存在を伸し上げた。

貴方だってそうだっただろう。
数々の仲間が、故郷の人達が、愛する人が。
貴方という存在を希望と称し、信じてきた。
それは、魂の根源から染みついた善性。
貴方がティパの村に希望を紡いでくれたから、
俺はその延長線上に立つことが出来ている。
クリスタルキャラバンとして、貴方は成せなかった事があるだろう。
諦めてしまった事があるだろう。
でも、喪ったものだけじゃない。
貴方が残したものは、あの世界で芽吹いている。
レビさん。
俺は、貴方の未来なんだ。
貴方が成した、希望の紡ぎ。
それは、俺達なんだ。
瘴気の根源を倒し、思い出の管理人を制し、
世界に平和を齎した希望の欠片。
