カオスドラマX

Gray Traveller / 638

638
わったん 2026/05/18 (月) 21:40:32 >> 637

「……」
「……」
「これは打算的な面もあるんだ」
「過去のティパのクリスタルキャラバン達は、レビさんをティダの村へと連れていこうとした」
「それは彼にもらった希望を体現したものであり、同時に彼に生きて欲しいと願うが故の利己」
「でも、それは叶わなかったんだ」
「きっと、悔しかったと思う」
「二度もレビさんに救われたティパの村」
「クリスタルキャラバンが受け継いできた希望」
「それは俺だって同じだ」
「俺だって、クリスタルキャラバンなんだ」
「だから、ティパの村の利己を貫き通すために」
「俺はレビさんを帰したい」

<……>

「其処までは、クリスタルキャラバンとしての俺の願いだ」
「本当の俺は……アトリちゃんを救いたい一心だ」
「そして其処には俺が居て、旅の続きをしようって」
「そう、言えたらなって……」
「……」
「でも、今、都市と故郷を繋いでいるのはレビさんなんだ」
「そして繋ぐ経路となったのは、ティダの村であり、俺の冒険記」
「全ては繋がっている」
「其処に思い出という鍵を差し」
「俺の持つ記憶、『旅人の思い出(クリスタルクロニクル)』を流し込めば」
「レビさんの帰郷と共に」
「この旅日記に秘められたアトリちゃんの思い出を、還す事が出来る」

<……>

「まさかティダの村のクリスタルキャラバンと都市で出会えるなんて思わなかった」
「ラモエの奴がいる事は、漠然とだが分かっていたし」
「L社でまとめた情報を考えれば、今も聳え立つ図書館ってところにまだ囚われているんだろう」
「其処に辿り着いて、奴から奪われたアトリちゃんの記憶を取り戻す事が」
「俺の都市におけるゴールだと思ったんだけどな」
「意外な結末ってあるんだよな」

<……ユンフ……>

「そうさ」
「確かにレビさんを見捨てれば、わざわざ俺がミオさんに頼み事なんてせずに済む」
「でも、それは出来ないんだ」
「彼ももう、俺の方向標の行路の一つに立ってしまった」
「そうなったら、もう」
「これから消え往く俺の思い出の一つになって欲しいって、願ってしまう」
「そうして描いた軌跡を」
「きっと、彼女も見てくれるだろうからって」

<……>

通報 ...