カオスドラマX

Gray Traveller / 680

680
わったん 2026/06/28 (日) 20:10:50 >> 679

「急になんだよ」

「……」

「黙られても困んだが」

「……口を開いても良い、という認識でよろしいでしょうか」

「今後の会話に支障をきたす必要は無い」
「俺と喋る時にお宅らの都合を持ち込む事は絶対的なものとしない」

「ありがとうございます」
「直前に働いた不敬については、私の下顎を砕く事でどうか御許しください」

続々と溢れてくる都市特有の文化。
その倫理観の無さに、透明の軌跡はため息を落として目を伏せた。

「この先には何があるんだ。それについて教えてくれたらその不敬とかいうの解除すっから」

「御厚意承り、感謝いたします」
「この先は『図書館』の実体化に伴い、拡張……いや、復元されたL社の土地が広がっています」
「我々はその土地の占領確保、及び戦争準備に勤しんでおります」
「ですので、透明の軌跡様相手でも此処をお通しする事は出来ません」
「それは、ゴットファーザー様の意中にそぐわぬため」

「仕事熱心のようで」
「……その『図書館』について、知ってる事を伺ってもいいか?」

「それは――」

「私が説明しよう」

ジェンマが言い淀んだ時、彼女の背後から男が現れる。
その不敵な笑みは相も変わらず、透明の軌跡に視線を向けては口角を上げた。

「あ、アンダーボス様……!」

画像1

周囲のソルダート達が咄嗟に順路を築き、首を垂れる。
ジェンマもまた、その行路に居る事に敬意を払うかのように、膝を付いた。
その光景を見た透明の軌跡は、顔を顰め、眼前で優雅に歩く人物に視線を置く。
視線が合った時、彼らは足を止めた。

「下がって構わん、ジェンマ」

親指南部アンダーボスの一人、ダンク。
弾丸制作工房としてガンパウダー工房の実権を握り、
その功績を認められてアンダーボスとなった彼。
嘗てユンフと対峙してきた親指の姿が、其処にはあった。

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