カオスドラマX

Gray Traveller / 692

692
わったん 2026/07/12 (日) 22:48:43 >> 685

黒昼と呼ばれる現象が過ぎ、巣の崩壊は著しいものと変化していく。
私が護り続けていた公園は、比較的安全地域ではあった。
それ故、周辺に住まう住民は、相変わらず公園で日々を過ごす者もいる。
少し大きくなった子どもたちや、依然に増して健康になってきた老人。
巣が崩壊したとしても、今を強く生きようとする者達が、
この空間に居てくれることが、嬉しかった。

「おじさんいつもいるね」
「翼が折れても、僕達の事護ってくれるの?」

「あぁ、勿論だとも」
「翼は折れたかもしれないが、私にとってこの公園は、まだ折れてはいない」
「其処に居る君たちの未来も、私は護る為、この逃げ道を確保しているよ」

「退路ってやつ?」
「帰る場所が在るのは良い事だよね」

そう彼らが言ってくれる事。
私にとっての退路が、存在していることが、生きる糧であった。


「6課の人間が何故此処に」

ツヴァイ隊員が疎らの間隔で滞在を成す。
協会直属事務所のフィクサー達も、確認出来た。

「透明の軌跡から、巣全体の地域保護依頼を受けたんです」
「他に大きな仕事が無ければ、暫く我々は組織から巣を護り続ける予定です」

「ウォルター部長の判断か……」

「3課所属の貴方には、L社付近の『親指』との交戦、ねじれである『霧の射手』の情報収集が命じられました」
「この区域の保護はお任せください」

「……この公園には、未だ無垢であり続ける子供や、生を全うしようとする心強きものたちが居る」
「どうか、護ってやってくれ」

「はい。ツヴァイは『あなたの盾』ですから」


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