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『……対話とは、未来に残る過去の残滓』
『その残滓が人の感情となり、また別の人へと伝播する命の雫』
『護られるべき尊い行程』
『貴方に課せられていた使命は、既に曲線を喪っており』
『私に提示する為の道は閉ざされている』
『故にこそ、貴方は私と対話するべきではなかった』
『私を、最初から鎮圧すべきだったんだろう』
「……確かに、アンタを倒せばそれで話は終わりだ」
「俺は都市の人間として依頼され、都市の人間としてアンタを始末する」
「普通の話」
「だが、これは俺の感覚だ」
「俺と同じように空虚になったはずのアンタに理解を示せなきゃ」
「俺はこの先、本当に自分を見付ける事なんて出来ない」
「だから、俺は対話を選んだんだ」
「選んだはずなのに」
「……答えが、出ない」
『それを成してきたのが』
『過去を彩る貴方、透明の軌跡だった』
「……」
『准えるべき過去は、持つものが提示する記録』
『それが退路であり、自分自身を形成するものである』
『思い出を持ちえない貴方が、私に言葉を投げかけること自体』
『それは時間の浪費に過ぎず、ただ立ち止まるだけの出来事』
『利口ではない』
『貴方は、都市の人間であるが故、過去で私を示す事は出来ない』
「……」
『見逃すという選択は、そもそもとして存在しないのだろうな』
『いずれにせよ、私は此処でいつか死ぬ』
『貴方の手によってではなく、他人の手によって』
『此処で死に往く事こそが私の望みであり』
『それが退路を示す事となるのだから』
『それなら、透明の軌跡』
『今此処で、貴方が剣を振ろうが振らまいが』
『結末は変わらない』
『貴方は、『ユンフ』ではないから』
「……」
生きた走馬灯が此処を離れない理由。
それは自身の退路を護れなかったことに対する罪悪。
そしてその罪悪から解放される為に、
自身の成したい事。この場を護る街灯となりながらも、この場で散る事。
透明の軌跡は、生きた走馬灯が望む顛末に対して、
示せるものが何もなかった。
過去も思い出も、何もなかった。
だからこそ
「なら……それなら……退路なんかじゃなく」
「進路を見付けたらどうなんだよ……」
未来への想いを、吐露する事にした。