カオスドラマX

Gray Traveller / 700

700
わったん 2026/07/19 (日) 22:21:04 >> 696

「……」
「俺が未来を語る事は、空虚だっていうのか」
「過去を持たないが故、意味がない」
「アンタに納得の行く答えを示すことは出来ない」
「俺が思っていた『対話』ってのは、こうも複雑なもんじゃなかったってのに」

『フッ、透明の軌跡』
『生まれつきの英雄などいない』
『それは過去を遡れば、誰であれそうだ』
『星は常に光り輝いてはいるが』
『それは遥か昔に光ったからこそそう見える』
『君は輝こうとしている』
『今の君を彩る全ては、ユンフが彩った輝きだが』
『こうして私に対話を持ちかけてくれたことは』
『君が私に進路(たいろ)を示してくれたからこそ』
『君だけの星となる』

「……それでも、納得には至らなかったんだろ」

『そうだ』
『そして、こうして対話して行きついた最後は』
『決まって刃を交える事で終幕する』

生きた走馬灯の包帯が崩れ、刃の煌めきが霧に反射する。
両刃に宿るこの場所への守護の想いが、質量となって上げられた。

『透明の軌跡』
『君は進むことが出来る』
『ならば、私は君が進めるように』
『君の過去を作る』
『それが、退路となるだろうから』
『そうしていつか走馬灯のように思い出してくれ』
『都市の色に染まらないように抗った人間が』
『こうしてねじれた今も、都市に抗っていることを』
『自分の中の、"方向標"を定めていることを』

「……」
「……」

その質量を前にして、人は防衛本能を示す。
それに倣って彼も剣を――

「生きた走馬灯」
「それでも、俺は」

抜くことはなかった。

「アンタに未来を示したい」

通報 ...