カオスドラマX

Gray Traveller / 708

708
わったん 2026/07/26 (日) 23:17:24 >> 703

「……」

「その意志は、俺やサミーが残したものと同じ」
「お前さんを、そして思い出を想って託した『軌跡』なんだ」
「横に無くとも、その軌跡はお前さんの過去を彩る」

ヴォールカは付近にあったボロ枝を拾い

画像1

彼の線に一つ、線を加えた。

「ユンフがしてきた事は、これだ」
「自分が進む未来の為に、過去を描く」
「自分が進んできた道の中で、その人達の道に繋がり」
「自分を形成していく」
「自分の道もその人の横道となり」
「思い出となる」

「……」

「そうして記憶を思い出しながら、多くの人と関わって」
「この横の線をたくさん引いてったんだ。お前さんは」

「……この線は……」
「……生きた走馬灯……」

「お前さんがこれから目指す未来」
「それを語る為の過去」
「お前さんをお前さんとして確立させる、思い出だ」
「お前さんが得た、お前さんだけの思い出」

「……」

「わざわざこれを提示しにきたのは」
「見てられないぐらいに悩んでる青年に、たまらず声を掛けたくなったからなだけであって」
「説教しにきたわけでも、なんでもねェ」
「本当はお前さんの前に姿を現す事はないと思ってたんだけどな」

「……」

「まぁ、これも思い出の一つになっただろ」
「……あまり飲み込まれるなよ、ユンフ」
「人によってはお前さんをユンフと呼ぶことはないかもしれねェ」
「お前さんがどっちを望んでいるかも、俺にはわからねェが」
「お前さんは間違いなくユンフだ」
「……」

「……」

自分が大切にしたであろう思い出
「お前さんが取り戻す事」
「それは、俺だけじゃねェ」
「お前さんが築いてきた軌跡から伸びた横道」
「皆が望んでいる事だ」
「だから、負けんなよ」
「お前さんは、お前さんだ」

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  • 709
    わったん 2026/07/26 (日) 23:17:37 >> 708

    ヴォールカが去ってから暫く。
    彼は描いた線から伸びた横をひたすらに眺めていた。

    「……」

    『君なら描けるさ』

    「……」

    立ち上がり、空を仰ぐ。
    ガンブレードを背に、彼は公園をあとにした。