――――ケイオス先人類は、数千年前の旧・カオス文明の時代に突如として人々の前に姿を現した。
彼らは、自分たちを「この世界で最初に生み出された人類の祖先」と称し、カオス界に繁栄する「現人類」の横暴によって傷つけられていく星を救うという大義名分を掲げ、人々に対し攻撃を開始した。
だがその正体は、『闇の世界(ダークワールド)』を創造したとされる、暗黒の神によって選ばれた邪悪なる眷属達であり、カオス界を闇に染めるべくやってきた恐るべき侵略者だったのである。
彼らは僅か8人の少数でありながら、1人1人が『オリジン』と称する超常的な力を持ち、その力を用いて短期間で多くの国をあっという間に攻め滅ぼしていった。
その力の前に、地上人類は成す術無く蹂躙しつくされるかに思えた。
そんな中、西の国のとある科学者が、自国の領土で不思議な力を秘めた石の採れる鉱脈を発見した。
「カオススピネル」と名付けられたその鉱石は、人間のアンビションや兵器の性能を何倍にも強化する力を持っており、これによって人類はようやく先人類に抵抗する術を得た。
程なくして、『カオスレジスタンス』と呼ばれる人類の精鋭部隊が結成され、地上人類と先人類の全面戦争が始まった。
血で血を洗う様な、長く壮絶な攻防の末…… 最後は人類の英知を結集した最終兵器『オメガ』の力により、遂に全ての先人類を打ち倒し、多くの犠牲を払いながらも人類は勝利を収めた。
――――しかし、彼らとの戦いはまだ終わってはいない。
先人類は暗黒神より授かったその力で幾度も転性を繰り返し、この世に生を受けては地上人類に牙を向き続けている。
そんな彼らの脅威から地上を守る為、伝説のレジスタンス戦士たちの遺志と力を継ぐ者…… 通称『守り人』達によって1つの部隊が結成された。
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それが、『先人類特別対策係』なのである――――
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ヴァナダ「ピッッ(円卓の中心に浮かぶモニターに映る、部隊のPR映像を止め)………と、いう訳なんだ……… 先人類の転生者は、基本的に前世の記憶を失った状態で生を受ける為、最初の内は全くの無害だ……… しかし、時が経つにつれ徐々に前世の記憶と力が蘇っていき……… 最終的には元の先人類として覚醒し、再びこの世界に牙を向く……… そうなる前に、手を打たねばならない。」
幸助「・・・・! 待ってくれ・・・本当に意味が分かんねぇよ・・・あいつらが、世界の敵だって・・・?何の根拠があってそう決めつけるんだよ?証拠はどこにある!?」
ヴァナダ「……確かに、先人類は何の変哲もない普通の人間は勿論の事、小動物や魔物の肉体に生まれ変わることもあり、見た目での判別は非常に困難だ。しかし、我々にはそんな事態を解消するべく開発され、代々受け継いできた「宝」が2つある…… 1つは、先人類についての詳細なデータが記録されているこのディスク。(黒いフロッピーディスクのような物を懐から取り出して)そしてもう1つ―――――(そう言って、近くにあったリモコンのボタンを押す)」
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ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン……… ドンッッ(突然、天井から何かをぶら下げたアームが降りて来て、円卓のど真ん中にぶら下げていた物を置く。置かれたのは、円錐台形で直径15〜20cmくらいの大きさをした金属製の物体であり、何故かプリンのカラーリングで塗装されていて、見た目は完全にバケツプリンのオブジェそのものである)
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幸助「・・・・・何だよ、これ・・・?(円卓に出された物体を見て)」
ヴァナダ「この部隊の要ともいえる装置…… 『ヘレティックサーチャー』だ。この装置は、地上世界全域の生命エネルギー反応を観測することが出来る優れものでね、先人類の特異なエーテル波長を感知すると、警報と共にその位置情報を知らせてくれる。……幸一郎君と明ちゃんも、この装置に引っかかった……… ディスクのデータとも一致する波長だった……… それが、証拠だよ。」
蒼真「……信じられないのも無理はない、だが……… 博士が言っていることは、全て事実だ。俺達も、何度も何度も関連データを見返して……… 結果、真実であることを確信するに至った……。」
幸助「・・・・・・っ(ショックのあまり俯いて)・・・・それじゃ・・・あいつらはどうなるんだ・・・・まさか、殺さなきゃいけないってのか?・・・何の罪もない、何も知らないチビ達を・・・・!!(震える声で)」
蒼真「大丈夫だ、幸助……(幸助の肩に手を置き)……それだけは、絶対にない……… あいつらは、必ず助ける。」
幸助「・・・! ・・・でも、どうやって・・・・?」
レフィア「………方法は、あるわ……… 博士が、必死で探し出してくれたの……… あの子達の、ために………。(体を屈め、幸助に目を合わせ)」
幸助「・・・・! 本当か・・・? 本当に、あいつらは助かるのか!?(ヴァナダに)」
ヴァナダ「………あぁ、助けるさ……… その為に私は君達を見守り続けていたんだからね………。(そう言って、席を立ち)――――ついて来なさい、良いものを見せてあげるよ。(幸助に)」