かとかの記憶

神林長平 周回 / 50

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最初の設定にある『世界の全ては自明でなければならない』という動機について、日本のSF読者が古典的に馴染んでいる「知的冒険」観……ただひたすら知りたいから、が衝動で世界に立ち向かうのが科学者という科学者観には、わたしはずっと前から嫌悪を抱いている。それは科学者の動機ではない。

だいたいSFクラスタの集まりが嫌いなのでわざわざ言う機会もないけど、今でもネットで子供がそういう話をしていると傍目にかなり不愉快になる。このまえル・グインの短編から「マスターズ」を読んでいる間にそれを思い出していた。

今もっと興味の深いのは、同じ言い方でも『理由はない』バイストン・ウェルのコモン人の言い草が、先日『リーンの翼』で見た。富野由悠季がそんなに早くそこまで言っていたのにわたしは読み返して動揺していた。虚淵さんの「闘争」というのもわたしはよくわかるので、その一点を押さえておけば虚淵作品を読めそうでもある。『鬼哭街』など手元に既に積んではある。

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